第30話 希望の塔・3
希望の塔・3
——続いた試合は、ロエチャメの驚愕で転機を迎えた。
「さぁ…始めようか!!!」
「クッ…!!」
ヴァラックの突然の宣言…「10発まで無抵抗で受ける」。一見、とち狂ったように思えるこの発言は、頭脳戦を仕掛けたロエチャメのペースをいちじるしく鈍らせ、一方的に攻撃を食らっていた反面、追い詰められたのはロエチャメの方だった……。
「フハハーーッ!!」
…まるで天地がひっくり返ったように驚くロエチャメを見て、私は声高らかに喜色示した。おかしくて仕方ない——さっきまで攻め立てたロエチャメ…受け続けた私。
しかし、今、ここで、地に伏し呻くのは攻め手のロエチャメなのだ。
「これが楽しくない訳あるか!」
『ぐぐぐっ…がくっ!』
「なに…を、したの。」
まるで、生まれたばかりの子鹿のようなロエチャメを見て、わざと性急に追撃はせず、ゆっくりと近付き、立ち上がるまで待つ…。そして近づいていくと、ロエチャメからの懐疑の声が飛んでくる。
私は答えるか一瞬悩んだが、どうせ二度も使わない手だと考え、素直に答えた。
「叫んだ。ただし、『上』へ指向性を持たせた絶叫だ。」
『オロッ……』
「ウプ…。」
(アレが声?…いや、確かに一番最初にダメージが来たのは『耳』だった…一瞬で鼓膜が損傷…内臓が痙攣して…痛みよりも気持ち悪さが止まらない…!)
あの吐き気に耐える顔…恐らく内臓に相当なダメージが入ったのだろう…、誰がどう見ても弱っている。だが、攻め立てない。ここで急いで、思わぬ一撃を喰らってしまっては面白くないからだ。
「思い付きにしては…『げほっ』形にはなってるだろ?」
「っ〜〜〜!『
『ゾアッ!!』
「んお…!!」
『ブンっ!!』
吞気…に見せかけている。そんな私の舐めた態度にロエチャメは怒ったのか…、何か仕掛けてきた。恐らくは魔法、なぜ恐らくか…私がそこまで魔法に詳しくないからだ。しかし、これは多分精神汚染系、なら無視しよう。
ロエチャメはその魔法を放ちつつ、私に近接戦を仕掛けてきたが、無視して殴り返す…が、避けられる。
『スカっ ひゅっ!!』
「っふ!…ヴァラック、ちゃん恐怖…感じないのッかしらっ!?」
拳を打ち、拳を打たれ。数度の拳を交わしつつ、ロエチャメと言葉を交わす。
『シュッ!! ボッ!!』
「ンッ…!…いや?普通に怖いのもあるが…」
どうやらさっきの精神攻撃系の魔法は、恐怖心を植え付けるモノらしい。そしてそれを無視して攻撃攻める私に疑問を浮かべたのだと…。しかし、下らん。私は今、戦ってるんだ。なら——
「怖がるのは後でいい…!」
『ドッ!!』
「っぅ!『
「回復ずりぃ…」
『ガシッ』
「よなァッ!!」
『ドゴォッ!』
「アァ…ァッ!……はァーッ!」
そして、戦いは加速する。刺すようなロエチャメの攻撃は技巧を駆使した攻撃に対し、私の攻撃は大振りで荒く、範囲と破壊力に特化させている。私が1度攻撃を当てる時には、ロエチャメは私に3度攻撃を返してくる。
だが、いくらを10のダメージを食らおうと、100の回復されようと、1000のパワーで返せば釣りがくる。
—私は大きく後ろに飛び退き、背中にある『あるモノ』に手をかけ……一気に引き抜いた。
「初披露と行くかッー!」
『ズアアッ!!』
「『
「っ!双…斧!?」
「ハァーーッ!」
それは2つの手斧…、その名は『
…私が倒したあの竜…『
『ズババ!』
「きゃッ!?」
「ククク。確かに素手専門だが…使えないなんて、誰も言ってないんだよなァ、コレが!」
『ひゅん!!』
「うっ くっ!」
私は両手でそれぞれ手斧を持って、切り掛かる。予想外の出来事だったのか、モロに食らっていた。そう、私は武器は普通に使える(あまり、好まないが…)。師匠が修行の時に、「武器の対処をするのに、使い方も知らないと、咄嗟の対処が難しいだろう」と、基本的な武器はそこそこ使えるのだ。
『ヒュ、ヒュ…スパッ!』
「っ…!」
「ハハハァーーッ!闘いじゃあ、胸がデケぇと損するな!!」
「ふっ…!」
『サッ くいっ!』
(む…!掴まれ……小手返し!武器を取り、私を投げるか!)
急な戦闘スタイルの変更について来れず…ロエチャメは胸に刃先が掠めた。当然、服が裂けて胸が少し露出したが……こうも血に塗れてると色気もないな。なんて考えていると、手斧を振り上げた手首を無理矢理捻られ、手斧を握るのが難しくなった。
どうやら相手は柔術に心得があるらしい。
——あまりの角度に私も体幹がブレて蹌踉めく…
「合気ならパワーは関係…」
『ピタッ!!』
「あるんだな。『ニヤッ』 …ふん!」
『グイッ!』
「な!?」
(小手返しを無理矢理!?)
……フリをした。
『ドンっ!』
「かっ……はっ!!」
(返された!?)
崩れかけた体勢をすぐに戻し、手を離される前に、そのまま掴まれた腕を逆に捻り上げ……地面に叩きつけた。掛けた技を逆に返されて、驚く顔が逆さに地面に落ちていくのは爽快だな。
「1が10〜20に勝つための技術が、1億パワーにどう勝つって〜ッ!」
『ドッ ドッ ドスン!』
「ふっ つぅ…」
いくら技量が高かろうと、パワーが優れてようとも、素のパワーは圧倒的に私の方が上だった。地面に転がったロエチャメを追うように地面を踏み砕きながら迫るが、ロエチャメは転がって攻撃を避け続けていた。
「はぁ…止まらぬ雨…!『
「おいおい…決めにきやがって…」
悦に浸っていると、杖の最先端からかなりのエネルギーを感じた。恐らくはかなりの魔力を保有した魔法だろう。無理に受けるメリットなどないが…どうしようか。
「これ…っはぁ…防げるかしら?」
——【擬似】『
…しかし、ここまで煽られたら立ち向かわないのは失礼か…と、ならば避けずに、正面から、粉々に!打ち砕く…!
私は両手に手斧を抱えたままなので、手で受けるわけにもいかず、
「はぁーーーッ!!」
『ブシャーーッ!!』
「面で…失礼する ぜッ!」
『グイッ〜』
顔面で受けることにした。顔だけを前に突き出し、斧をこさえた両手を股下で『ぶらん…』と垂らし、肩周りを極限まで脱力した。
—またも驚きを現すロエチャメに思わず笑みを浮かべる。しかし、魔法は既に放たれており、中々の水圧であると予想出来る——まぁ…変わらず顔でいくがな。
(!ッ顔で受け止めるつもり!?そんな事したら首から上が吹き飛…)
「カカカッ…」
『にやぁ…』
…なんて考えてるんだろうなぁ…と、迫る水泡に思わず喉を鳴らしてクツクツと笑ってしまう。
「シャアッッ!」
『ザザザザザザッ!』
「な…」
確かにかなりの水圧だ。恐らく数十トンの威力があるだろう水の砲……だが所詮は水だ。
顔に着弾するギリギリで、顔を後ろに思いっきり背け…気合いの叫びと共に、一気に水を顔面で受け止める。
「クゥア〜……」
「あ、りえない…!イカれてるわね!」
『ザザザザザザッ!』
顔に打ち付ける冷水が心地よい。そして、顔一つで受け止められた、ロエチャメの驚愕の声はさらに気分がいい。
「マスクの角で二又に裂くなんて!」
『ザザザッ!』
「イカしてるって!?ありがとよ!」
しかし当然、顔面で受け止めたタネはある。簡単に言えば、このマスクで受け流しているのだ。このマスクは、顔を覆う構造上、必然的に斧のように角度が付いている。
つまり、この水圧を正面から受け止めることで、逃げ場をなくした水は割けるように私の後ろに流れたのだ。
「フハハハ、破竹の如きとはこの事だ!」
(…だとしてもこの水圧で首が折れないのはなんでよ…。いくら体が強くても、脆い首をこんなに鍛えられるはずが…!)
『ざぱんっ!』
「っと…出切ったか。」
——ヴァラックがこの水砲に耐えられた理由はマスクで受け流したこともあるが、ほとんどが実の肉体の耐久力によるモノであった。
数秒の発射の後に水砲は止まり、全身が濡れ、乱れた髪を手斧を持ったまま後ろに掻き流した。杖を振るい構え直したロエチャメは、呆れたように私のぼやきに返答した。
「無駄だと感じたから止めたのよ…。ヴァラックちゃんって、
「知らんがヒューマン辺りだろ。角も牙も、
実際あのまま放ち続けても、私がくたばる前に魔力が尽きるだろうし、早期の決断はなかなかの英断だ。私がヒューマンであるのかが、どうも引っ掛かるようだが…私にとって自信が何であるかはどうでもいいので適当に言葉を返し、空気を殴りつける。
(拳圧!避け いや、防御!)
『
『ビュゴッ!! ドパンッ!』
「ガハァッ!!」
空気を殴りつけ起きた拳圧は、真っ直ぐロエチャメに向かっていった。ロエチャメは何か魔法の盾を作り出したようだが……空気の盾は一瞬で炸裂し、避ける間もなく全身を空気で叩きつけた。
「ア…グゥ〜〜!!」
「フハハハッー!どうした!這い蹲るのが早い…ぞ!!」
『ドスっ!!』
「うごっ!!」
あまりの威力に、ロエチャメは倒れ蹲った。私はすかさずに走って近寄り、脇腹を蹴り飛ばした。またも痛みに呻いたロエチャメは、体勢を立て直して、自己回復の魔法の呪文を使おうとした。
魔法には詳しくないが、感じるエネルギーと雰囲気で回復系統だと察したのだ。
「は…『
「ヌルいわ!!」
『パキョンッ!』
(杖、壊れ!?……たのなら捨てるのみ!)
『ググっ』
(杖を捨て たなら来るのは一手のみ!)
よほどダメージが大きかったのか、目の前で回復しようとするが…間髪入れずに、魔法の起点となっているだろう魔法杖を裏拳で砕き、追撃を仕掛ける。だが、魔法が封じられたロエチャメは杖を投げ捨て、私に殴り掛かってきた。
「はぁッ!」
『シュッ ド!』
「ぐッ! フハハ…やはり、くだらねぇ小細工に付き合った甲斐があるぜ…」
『シュゥゥ〜…』
「やっぱりテメェ、素手ゴロの方が強ぇじゃねぇかッ〜!!」
事実上、魔法が封じられたロエチャメは、即座に杖を投げ捨て、殴りかかってきた。そしてロエチャメの仕掛けてきた近接戦闘は、思ったよりも高度なモノだった。
「よく言うわ…!私の
「ククク…まぁな。第一試合でのお前…。魔法使ってない時の方がキレがあった。つまり、魔法はサブ、メインは
さっきから戦っていて、ここまで分かりやすければ嫌でも気付く…。中々多様な攻撃を仕掛けてきていたが、その実、決定打なり得る攻撃の全て物理攻撃なのだ。
拳を合わせ、力を拮抗させていると、ロエチャメから疲労の息が漏れた。
「んっ、くっ…」
(相変わらず…なんてパワーなのかしら。詠唱を飛ばしたとはいえ…強化されたパワーはドラゴン並なのよ…?)
——一方。拳を合わせたまま力比べをしていたロエチャメは、ヴァラックの無茶苦茶振りに思考が追い付かず、もはや驚きを通り越して、呆れの域に達していた。
…強い、ただ実力が高いなら……戦いのセンスが鬼掛かっているのなら…まだ分かるが、それ以上に驚くのは 只人とは思えないその肉体のスペックだ。体付きも良く見れば常人とは異なる長い手足、脚など胴の2倍はあろうかという長さ…。リーチの長さはそのままパワー直結すると言うが…
「ククク…ッ!喘ぐな。疼いてしまうだろう?」
『グググッ!』
「…あら?そういう貴女は随分と手を合わせてるじゃない…寂しいの?」
(——ここまで強くなるモノかしら…?)
ただでさえ、体格差というのは大きいハンデになる。
だが、その上であえて思う。問題ない…と。
「お前の方が小さいし、どっちかって言うとそっちだろう。 レディ?手を繋ごうか?」
(面白い…柔肉かと思えば引き締まっている。肉の肥大が少ない…なるほど瞬間火力に特化させ、速筋を鍛えたのか。)
「年上よっ!」
【魔法】『
戻り。ヴァラックは、ロエチャメの肉体的スペックの高さについて驚いていた。
魔法職…入場の際にチラッと聞こえてきた以内の情報では、魔法といえばのエルフ。それも、有名人らしい人物から師事を仰いだとか…。しかし、ここまでの肉体を持つ女が魔法職とな…噛み合わないな…。
放ってきた拳を受け止めるために、片腕を体の前面で丸めて構え…力を込めた。
——『ヴラック・クラブ』
『ド!シュュ……』
「…腕の筋肉を膨張させ上体を守る技ね?片腕のみの防御なのは、反撃用に片方残すため…かしらね。」
「ふむ…私相手に頭脳戦を仕掛けようとするだけあるな…。」
「強がり?——拳術!」
—『
『ヴラック・クラブ』。私の技は基本的にシンプルだが、一部の技…特にこの技のような防御技にはそこそこ手を込んでいる。だが、こんなに直ぐに見破られるのは少々落ち込む…。そんな私を一蹴して、さらに追撃のパンチを仕掛けてきた。
(大した威力じゃな——)
『すかっ!』
(腕が貫通…違う!幻影だ!)
「ぐおッ……オォッ!!」
「フ…っ! ハァーッ!!」
だが、その拳は私の防御を文字通り貫通して、私の首に当たった。威力こそ、目測通りそこまでだったが、まさか当たるとは思わず、衝撃に備えられなかったため、僅かに膝を折る。やられっぱなしではマズいと思い、すぐに殴りかかるが、軽くいなされ反撃を受けた。
『ゴッ!』
「むっぅ…ぬ…!!」
(戦術をまた変えたな…!)
『がしっ!』
「くっ…!…はっ!」
【魔法】——『
流石にここまで体勢が崩されて、まともに反撃出来るとは思っていない。痛みに怯む振りをして、攻撃を誘発し…両手を掴んだ。
…しかし、掴んだ瞬間に、振り解くでもなく、魔法を発動したのを感じた。このタイミングで。なぜ?と、違和感を感じ、すぐに手を離した。
『ぱっ!』
(なっ!離れ…)
『ズザー…』
「…麻痺辺り、か?」
(察しがよろしいこと…)
「でもこれは予想できなかったわね!」
『ぼこっ』
恐らくは『毒』『気絶』『麻痺』のどれか。両手など行動のかなめ、それを掴まれてここまで冷静なのは、明確な反撃の手立てがあるのだと察した。
そして…ロエチャメが何かを叫んだ。それと同時に、『なにか』が視線の端で現れた。
「!地面から…」
「キシャアアア!!」
「木…の竜!?」
「絡みとれッ!」
『がぶっ!がしっ!』
(!——拘束技!何か、来るッ!)
いい機転だ…!避けられたのを感知した瞬間に、無詠唱でこうも器用な真似をするのかと、関心と同時に…ただならぬ脅威を感じた。ここでこの程度の拘束技を選択したとういう事は、解かれてしまう前に攻撃が出来るということ。
私はここにきて初めて全力の回避を選択した……が、相手の攻撃の方が速かった。
「『ヴラック…!』」
「!!!それは私の——!」
「『スコーピオンーーッ!』」
「前試合の……コピーかッ!」
『ドゴッ!!』
「ウォオァーッ!?ゴバァッ…!」
まさか私の技を真似てくるとは…!私は木の竜の拘束を砕きながらその場に膝を突く。それと同時に、攻撃を放ったロエチャメは残心を解き、突いた指を振るう。
『ピキッ!』
「痛っ…!!これ、どれだけ力溜めて放ってるのよ!?」
『どぼぼ〜…ッ』
「グゴッ〜…!と、当然だ…!ソレはただフルパワーの突きだ…!」
私の技はさっきも言ったが、基本的にシンプルなモノばかりだ。コピーするのは簡単だったようだが…流石に肉体のスペックまでは真似できないようで、少なからず反動でダメージを受けたようだ。
そして気付いたぞ…?この技に振り回されている様子は天性的な才能なんかじゃない。
『にたぁ!』
「前試合でやってた猿真似…かと思えば、なるほど…!そいつは…魔法か?」
『ゴキゴキ!』
「ふー…ッ!正解よ…まぁ。名称もない、『常時発動型の動きを真似る魔法』…って感じかしら」
口元を汚す私の吐いた血を、地面にそのまま垂れ流しにし、感じた違和感から考え…コピーについての考察をロエチャメに語る。ロエチャメは指の調子を確かめるように数回拳を開閉し、骨を鳴らした。しかし……てっきり同様の一つでもすると思ったが、意外にも反応は薄かった。
「ほう?わざわざ教えてくれるのか?」
『かちゃ… ぺッ!』
「ええ…貴女は知らないかもだけど、私だってそこそこ有名なの…貴女の象徴がマスクだとしたら…私はこのコピーが象徴と言って過言じゃないわ。」
『ス…!』
「知られても問題なし…と。」
納得…。当然だが、有名になるほど、目につきやすい特徴の物や魔法…それが戦術の一つとかだと対策される。
私はマスクをわずかにズラし、マスクで溢れる出るのを遮られていた血液を、思いっきり吐き出し考えた。
私もだが、バレた所で大差ない場合は、下手に隠さず、むしろアピールした方が心理戦に持ち込みやすい場合がある。
——面白い。
「フ……フハハ…!」
「?なに急に…」
「バハハーーーッ…!!やはり貴様は面白い!!」
…私に『あえて』教えたのは「戦い方を真似させる可能性があるから、バカスカ打たない方がいい」。と牽制しているだろう!ならば『あえて』!正面から正々堂々と戦ってやろう。
——無意識的に溢れ出た笑い声は、攻撃性を露出した声色であった。
『ぶるっ…!』
「好きモノね!」
「バハハ〜ッ…!合わせろよ…!」
【技】——『ヴラック・コング』
「…ダメって言ってもやるでしょうに…!」
【技】——『ヴラック・コング』
——私は腰を低く落として、拳を腰の位置に構えた。対するロエチャメは、『自分が選択肢を強制された』と気付いたのか、溜め息一つを落として、恐怖か、呆れか、対抗心か…体を震わせて私と同じ構えを構える。
つまり、新しい攻撃を放つたびに真似すると脅されているのなら…『真似しなければ耐えきれない最大火力を放つ』と脅し返したのだ。さもなければ、魔法や柔術で反撃しようとしても、溜めや接近の時間で攻撃を喰らってしまうぞ?と…。
「はぁッー!」
「バハハーッ!」
互いに構える拳は『ヴラック・コング』——私とロエチャメは拳が届かない距離で構えていたが、拳を放つと同時に、振るわれた拳は体ごと、まっすぐ飛来し……。
『ゴジャァッ!』
——互いに頬を殴り合った。
『ぷしっ!』
「釣られっ…」
『にやぁ…』
私はロエチャメの軟い肌を拳で感じ…。ロエチャメは私の『鋼鉄の冷たいマスクを拳で感じた』だろう…。
「流石の完コピだな?」
「うぁ〜…」
『がくっ! ずしゃっ…』
‼️第一章完結‼️【2度目のラグナロク】『第一幕 《新》世界』「第二章 闘技国 編」 雪華将軍_設定厨 @Sekka_general
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