Episode.4...White kiss.

 ―――あたしは、あのCigaretteの白い香りが凍り付いた冬の息のように漂わせているあの男の元に出会って、数年が経った。

 今では、腕に紋章が付いている―――Azureの黒死蝶の文様が、色鮮やかに、胸の辺りに焼き付いている。この文様が出た当初は熱にうなされた。しばらく、何も物が食べられない日々が続く。体は強張り、収縮するんじゃないか、と思えるほどの痛みを胸に覚え、痛みは半永久的に刻まれていく、私のTapestryたる永遠を感じさせる老獪な“蒼”に変貌するの一己の刻印〈Tattoo〉と化す。

 Tattooに変わるには歳月がいる。それは、自身の紋章が徐々に姿を変えた経験から知っていたことだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る