第17話 キリシア領編 いざ冒険の旅へ 盗賊討伐&キシリア領編 3

 盗賊のアジトを急襲。無事に主犯格の盗賊は確保して囚われていた人達を保護する事に成功した。

 途中で葬った盗賊達は1箇所に集めて大きめの布で覆い隠した。囚われていた人達が怯えるのは可哀想だからね。

 

 あと、人質に利用された全裸の女性はまだ動けない様なのでその付近にあった布で掛けてあげた。俺も目の置き場に困るしね。


 タ【雅は此処で待っててくれ。】


 あとはこの扉の向こうに囚われた人が5人居るんだな。扉に鍵が掛かってだけど、無理矢理引っ張ったら開ける事が出来た。


 ツゥんと鼻を突く異臭。想像してたけど劣悪な環境だな。雅の言う通り部屋の中には檻があり、ボロ布の様な服を着て怯える表情でこちらを見ている5人の姿が目に入った。


 [安心してくれ。君達を助けに来た。直ぐに檻から出して上げるからな。]


 檻にも鍵が掛かっていたがこちらも強引にこじ開け全員を保護した。男の子が2人女の子が3人、まだ幼さなさを感じるな。外の女性を入れて6人だから雅の言った数と合うから間違いないな。


 [取り敢えずこの部屋から出よう。盗賊は全員倒して捕縛してるから大丈夫。安心してくれ。


 部屋の外に出ると先ほど倒れていたら女性も目を覚ました様だ。ひとまず安心だな。


 1番歳上であろうこの人に声をかけて掛けて見るか。


 [身体の方は大丈夫か?名前を教えて貰えるかな?]


 『使徒様。はい。大丈夫です。私の名前はエリーです。』


 また俺が厨二病拗らせるからやめて。


 [俺の名前は龍也だ。女神の使徒では無いよ。]


 『そうなんですか?そちらにいらっしゃる方は女神セルシア様に見えますが?教会の御神体とそっくりなんですが?』


 あぁ〜もう、面倒くさい。そうしておこう。


 [女神が今回の事に心を痛めていたのでこの様な行動をした。この事は決して口外しない様に内密で頼む。女神の名前は雅、俺の名前は龍也で頼む]


 はい。みんなで雅を前に祈り出したよ。お約束ですね。


 [ところで、エリー、料理とか出来るか?出来るならそこにあるまともな衣類をこの子達に着せてご飯を食べさせて欲しい。俺達は此処で他にする事があるから任せて良いか?]


 『分かりました。お任せ下さい。』


 【雅、この子達の首に嵌めてある奴隷の首輪って外す事出来るか?】

 【野営の時に見たけど簡単な術式の回路だから簡単よ。】

 

 雅は6人全員の奴隷の首輪にそっと触れて次々と解除して外していった。


 みなさん、それを見て。。。もう言うまい。


 俺と雅はエリーに人質の事は任せてアジトにある物を物色していった。


 流石って言うのも変だけど盗賊だけに色んな物があるなぁ。商人や貴族の馬車を襲ったり村とか襲ったんだろうな。アイテムBOXも10袋もあるぞ。1つは肩掛けの鞄タイプ。見る限り容量も大きそうだ。


 [雅、このアイテムBOXってどれ位の容量なんだ?]


 (けっこう大きいわね。20メートル四方って感じかしら。)


 それは良いなぁ。貰っちゃおう。何か自分が下賎な人間になっていく気分だけど。


 [この世界で盗賊の物の所有権ってやっぱり領主とかになるのか?]


 (違うよ。盗賊を討伐したならその討伐した人に権利があるよ。今回は全て龍也の物で良いんじゃない。)


けっこうアバウトな世界だな。まぁ〜盗賊討伐も命懸けだからそれだけの権利があるって事かな。では遠慮なく。

 俺はお金や宝石、武器に至るまで全て種類別に小さいアイテムBOXに振り分けて入れ、そのアイテムBOXごと、鞄型のアイテムBOXに放り込んだ。


 あとはコリーに関する情報だな。


 盗賊のボスの物であろう机の引き出しを開けると半羊紙が何枚か出て来た。これは依頼書か?あぁ〜なるほどな。この情報で襲撃も簡単に出来たんだな。


 雅と、一通り確認して回収した後シェリーに念話をした。


 タ【シェリー聞こえるか?】

 シ【うぐっっ、、、はい。。。聞こえます。】

 タ【どうした?なんか苦しそうだけど?何があった?】

 シ【雅様の声が脳に響いて視界が揺れてます。】


 はい。雅の発生した声の被害者がここにもいました。


 タ【だから説明してただろう。そうなるかも知れないから念話切っておけって】


 シ【はい。すみません。でも雅様の事が気になって。やっぱり雅様は女神で龍也様は使徒で】


 タ【もうそれ以上言うな。言うならお前の事もバラすぞ。】


 シ【ごめんなさい。もう言いません。】


 タ【予定通りこっちは終わった。事前に話した通りコリーの護衛はリーシャに任せそこに残して、それ以外は全員盗賊のアジトに来てくれ。場所は雅が説明した所だ。入り口は松明で分かり易くしとくから、騎士団長に話して行動してくれ。】


 シ【承知しました。ではそちらに向かいます。】


 タ【宜しく頼む。】


 失神してた盗賊も目を覚ました様だな。この奴隷の首輪を嵌めてみんなを待つとしよう。



 さぁぁ〜あいつを追い詰めてやる。切り捨て御免でも良いよな。


 (龍也、悪人顔してるわよ。)


[嬉しそうな顔って言ってくれ。雅も目が笑ってないぞ。]




 俺達はみんなが来るのを待つ事にした。

 


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