懐かしい洋楽を求めて……「Earth, Wind & Fire」「The Beatles」「Nightwish」

暗黒星雲

第1話 ビジーのファンタジー

 二ヶ月くらい前の事である。

 私には一つの悩みがあった。


 今はYouTubeなどで古今東西の音楽を楽しむことができる。私が若い頃に好きだったとある洋楽が聞きたくなったのだが、グループ名と曲名が分からない。タイトルは確か、「宇宙のなんちゃら……」だった気がしていて、宇宙をキーワードにして検索しまくった。


「宇宙の神秘」

「宇宙の謎」

「宇宙の不思議」

「宇宙のミステリー」

「宇宙の畏敬」


 思いつく限り様々なワードを使って検索したがヒットしなかった。検索ワードが間違っているからだ。


 ではどうする?

 何かきっかけはないのか?


 で、一つ思い出した。

 グッチ裕三だ。


 あるものまね大会みたいな番組で、彼があの曲を歌っていた事を思い出し、キーワードを変えて検索してみた。


 「グッチ裕三 ものまね 洋楽」


 ほほう。

 色々出てくるではないか。


 バンド名はビジーフォーだった。

 相方はおでこが広いモト冬樹。他にも二人いてメンバーは四人。仕事がたくさん来て忙しく(busy)なるようにと願いを込め命名したらしい。まあ、そうやろな。


 色々思い出して来た。


 彼らは洋楽のものまねで売っていたバンドだった。

 どうして洋楽のものまねなのか?

 その理由は、「古い洋楽を適当にハモってるとものまねしているように見えるから」らしい。ボーカルのグッチ裕三が何故ボーカルなのかという理由は「楽器ができないから」らしい。


 彼らの演奏技術が稚拙なわけではなく、むしろ高度なものを持っていたと思う。しかし、エンタメの方向性がお笑い・ものまね系へと進化してしまったため、オリジナルな要素が希釈されたのかもしれない。ものまねブームというのだろうか、TVにおいてものまね王座決定戦のようなものが度々放送されている環境であればよいのだが、時代が過ぎると飽きられてしまう。いつの間にか、ビジーフォーは解散となった。


 これは、私らの小説と似た部分があるかもしれない。

 ものまねを二次創作とし、読者受けする内容とかに置き換えるとわかりやすいかもしれない。創作者が抱える永遠の課題でもあると思う。自分がやりたい創作と世間が好むモノとのギャップだ。


 さて、問題の洋楽である。

 ビジフォーの動画をアレコレ眺めて発見した。ものまね王座決定戦……みたいな番組で演奏していたのだ。


 バンド名は〝アース・ウィンド・アンド・ファイアー(Earth, Wind & Fire)〟であり、曲名は「宇宙のファンタジー(Fantasy)」だった。アフリカ系アメリカ人のバンドであり、70年代を代表するとも言われた人気バンドだ。日本でも、当時のディスコブームに乗っかって大人気だった。洋楽に詳しくない私が知ってる位だから、かなり流行っていたのは間違いないだろう。


 黒人のツインボーカル。モーリス・ホワイトとフィリップ・ベイリーだが、フィリップのほうが甲高い裏声なのが特徴。モーリスはハゲというか、生え際の後退っぷりが凄まじい印象だ。更に、複数のラッパ系、主にトロンボーンだと思うが、その辺の重厚な演奏も素敵だったなあ。


 見つけた日はとにかく嬉しくて、一日中ファンタジーをかけてました。


誰もが心の中に宇宙をもっている

それは世界の誰にも消されることのないファンタジー


(暗黒の適当な意訳)


 好きな音楽に包まれる日常は幸せですね。

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