48話 最後の未来視




浄化の光が教団の拠点を包み込む中、スイレンは静かにユリのもとへ歩み寄った。

「ユリ……君が、本当にあの力を使うなんて思わなかった。」


ユリは目を閉じ、深く息を吐いた。

「みんなを、苦しめたくない。私が代わりに背負う。」


スイレンは顔を上げ、薄く微笑んだ。

「私たちも変わる時だ。憎しみも、怒りも、焦りも。もう手放そう。」


他の教祖たちも一人、また一人と光に包まれ、その表情に柔らかな光が戻り始めた。


「終わりじゃない。新しい始まりだ。」ユリはそう告げ、静かに手を差し伸べた。


教団の者たちはその手を取り、共に歩み出した。


世界はまだ傷ついているが、確かに救いの光は差し込んでいた。

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