38話 花言葉のない花

教祖たちの間に静かな緊張が漂うなか、ユリはゆっくりと口を開いた。


「あなたたちの痛みも、憎しみも、すべて理解したい。だからこそ、戦うのではなく話し合いたいの。」


スイレンが重い口調で言った。


「私たちの未来を見てきた。あの悪魔の復活は、必ず絶望をもたらす。でも、何もできない自分たちもまた、絶望の中にいる。」


ローズが拳を握りしめ、嗚咽まじりに続けた。


「憎しみが私たちをここまで連れてきた。でも、それだけじゃ何も変わらない。変わりたいのかもしれない、私も。」


教祖たちの目が少しずつ柔らかくなり、マリーが涙をこぼした。


「悲しみは私たちの鎖。でも、その鎖を断ち切ることもできるのね。」


ユリはその光景を見つめながら、心の中で確信した。


「私たちには、まだ希望がある。」


その時、教団の拠点に微かな揺れが走った。エンド・フラワーの影が、再びその存在感を増していく。


ユリは顔を上げ、決意を固める。


「最後の戦いはこれから。でも、私は一人じゃない。」


教祖たちも、彼女と共に立ち上がった。


闇の中に咲く、希望の花。その戦いはまだ始まったばかりだった。

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