35話 救済か、破滅か
ユリたちが歩き出した先は、教団の隠れ家となっている古びたビルの地下。そこには、ロベリア、マリー、ダリア、キキョウの姿もあった。薄暗い灯りのもと、それぞれが自分の過去の傷を抱え、感情の渦に囚われていた。
「スイレン、また未来が見えたの?」とロベリアが冷ややかに問いかける。
スイレンは小さく息を吐き、手のひらに浮かんだ淡い光の粒を見つめる。
「うん……悪魔の復活は避けられないみたい。でも、何度も見ているはずの未来なのに、変えられない。」
マリーが背を向け、呟くように言った。
「悲しみの連鎖は終わらない……」
ユリはそんな彼女たちを見つめながら、胸の中で決意を新たにした。
「私は、あなたたちを…そしてこの世界を、変えたい。」
だが、その言葉に対しても、教祖たちの間には冷たい壁が立ちはだかる。
「変える?それが本当にできるなら、私たちがここにいる意味はないわ。」
怒りと憎しみ、罪悪感、孤独、裏切り——それぞれの感情が彼女たちの言葉に色を付ける。
その時、ユリの胸の奥で熱い感覚が芽生えた。
エンド・フラワーの災害級の力が、静かに目覚め始めていた。
覚醒の瞬間は近い——
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