33話 エンド・フラワーの封印

夜の闇に包まれた教団の隠れ家。薄暗い照明の下、ローズが掌をじっと見つめていた。拳に宿る破壊の力は、彼女の過去の憎しみと痛みを何度も揺り起こす。


「壊せばすべてが楽になる…」彼女の呟きは、冷たい壁に吸い込まれていった。


一方、シャクヤクは窓の外を見つめながら、無言で拳を強く握りしめている。彼女の胸の中には、家族を奪われた怒りが今も燻っていた。


「誰も信じられない。誰も助けない。あの時のあの痛みが、私を強くする。」


教団の部屋の片隅では、ロベリアが薄く微笑みを浮かべていた。彼女は自らの能力で他人の罪悪感を操り、己の楽しみに変えていた。


「人の痛みは最高の遊び道具よ。誰も私から逃れられない。」


マリーは一人静かに椅子に座り、深い悲しみの影を纏っている。


「悲しみは死よりも静かで美しい……でも、こんなに胸が張り裂けそうなのは初めて。」


その時、部屋の奥からひとりの少女がゆっくりと姿を現した。ダリアだ。彼女の目は冷たく、揺るぎない決意が宿っていた。


「もう裏切られたくない。信じた者にまた裏切られるなんて、絶対に嫌だ。」


彼女たちはそれぞれ異なる過去の傷を抱えながらも、同じ目的――エンド・フラワーの復活を見据えていた。


その一方で、ユリはスイレンの言葉を胸に抱きながら、己の力と向き合う決意を固めていた。


「私が、この呪いを終わらせる。」


覚醒は近い。運命の花が今、静かに開こうとしている。

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