第十八章:王都の混沌と最後の結界

@amagaminomikoto

第十八章:王都の混沌と最後の結界

廃墟から出発した「アッシュ」たちは王都を目指して夜道を急いだ道中彼らは荒れ果てた街道で王都から逃げ惑う人々や絶望に打ちひしがれた兵士たちの姿を目の当たりにする偽りの盟約の真実が広がり始め王国の秩序は崩壊寸前だった真実を知った動揺から立ち直れない兵士たちを励まし飢えと疲労に苦しむ民衆の姿に心を痛める「あまがみ」は人々の悲しみを感じ取り


その癒しの歌声で彼らの心を静め辛うじて希望を繋ぎとめていた「アッシュ」は、この惨状を終わらせる


という決意と、この世界を救うという使命感を改めて胸に刻む


やがて王都の城壁が見え始めた頃に彼らは異様な光景に遭遇する不穏な静寂が街を覆い城門は既に破壊され街は炎と煙に包まれていた異形兵士裁定者たちが王都に侵入し王族の拠点へと進軍しているのだ彼らの放つ光弾は抵抗する兵士たちを容赦なく打ち倒し街を破壊していく広場には既に裁定者たちが整然と布陣していたが「リーネ」の姿は彼らの先頭にはなく既に王城の奥へと先行しているようだった「アッシュ」は


この破壊の光景と「リーネ」が、どれほど切迫した思いで行動しているのかを痛いほど理解し複雑な感情を抱いた


混乱の中「アッシュ」たちは王都の中心へと突き進んだ闇夜に


そびえ立つ巨大な城の上空には七色に煌めく光を放つ巨大なドーム状の結界が王都全体を覆い隠すかのように不気味に輝いていた


それが異形兵士が語っていた盟約を維持するための最後の結界だと「アッシュ」は直感する


それは単なる防御壁ではなく、まるで生きているかのように禍々しく脈動し触れる者の心をざわつかせる神秘的な存在だった結界の内部からは時折


異様な唸り声や魔力の波動が漏れ聞こえてくる


「あれが……真の魔族を封じている最後の結界……」


「アッシュ」の隣で「あまがみ」は、その結界を見上げ微かに震える声で静かに呟いた彼女の瞳は


その光に吸い寄せられるように見つめられ表情には緊張と


しかし確かな決意が宿っている。「アッシュ」は彼女の不安を感じ取り


その手を、そっと握った、この結界の先に「リーネ」の求める真の魔族がおり


そして世界の運命を左右する真実が隠されている


「行くぞ「あまがみ様」この先に俺たちが求める答えがある俺たちが……この結界の謎を解き明かすんだ……そして「リーネ」の本当の望みも……」


「アッシュ」の言葉に「あまがみ」は静かに微笑み小さく頷いた彼らの足元には裁定者と王族の兵士たちの残骸が転がっている王都の混沌の中を駆け抜け彼らは


もう後戻りは出来ない事を知っていた王城への道は開かれていたが


その先には想像を絶する真実と彼らの運命を決定づける最終局面が待ち受けていた彼らは最後の決戦の舞台へと足を踏み入れていくのであった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

第十八章:王都の混沌と最後の結界 @amagaminomikoto

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画