「カクヨム短歌賞10首連作部門 応募作品」

柊 時雨

恋と表象としての世界

“恋心 ‘セゾン’と読んだ あの日から 一切はただ 過ぎていくのみ”


“愛は呪い それなら呪い なくしては 生きられぬのが 人間なのよ”


“半月の 形している 君の瞳(め)が 可憐な笑顔で 隠れていくよ”


“僕がよく 知る横顔と 違う君 そこも好きだよ愛しきジャメブ”


“その呼び名 呼んでくるのは 貴方だけ 心に降りゆく 雨喜び”


“周期表 語呂で覚えた あの日々の 分子の様な 互いの関係”


“乾いてる 哀しみ抱えた 君が好き 聴かせていつか 夜の帷で”


“傍らで 眠る横顔 シャッターチャンス 魂でなく 愛を盗らせて”


“心臓が わずか左に あるように 隣へ傾く この最合傘(もやいがさ)”


“むしろ夜が 明けてくことが 恐ろしく 君の隣で 夢路を辿る”

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「カクヨム短歌賞10首連作部門 応募作品」 柊 時雨 @Hiiragi1998

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