第2章 タスク消失神ツヅカナイン様
### 第1〜10話:ツヅカナイン様降臨、そして地獄の始まり
**第1話:筋トレ3日目の朝**
筋トレアプリの通知。「3日連続達成!」
画面から煙みたいなのが漏れ出してきた。
「お、新記録じゃん。普通は2日で終わるのに」
ツヅカナイン様だ。褒めてるのかバカにしてるのか分からない。
「今日で終わりにしよ?キリがいいし」
…確かにキリがいい。
**第2話:ダンベルの新しい使い方
「これ、ドアストッパーにちょうどいいね」
ツヅカナイン様が2キロのダンベルを転がす。
買って1週間、一度も持ち上げてない。
「筋トレ器具じゃなくて、インテリアとして買ったんでしょ?」
「いや、そんなわけ…」
でも否定できない自分がいる。
**第3話:習慣化アプリとの戦い
「21日で習慣になります!」アプリが励ます。
ツヅカナイン様が画面に顔を近づける。
「21日?人間舐めてるよね。3日が限界でしょ」
そう言いながらアプリを削除する手伝いをしてくる。
「ストレージも空くし、一石二鳥!」
やめろ。
**第4話:ダイエット食品の末路
キッチンに並ぶプロテインバー、酵素ドリンク、チアシード。
全部賞味期限切れ。
「コレクション充実してるね〜」ツヅカナイン様が品評会を始める。
「この酵素ドリンク、3万円?へー、高級な飾りだね」
「飲もうと思ってたんだよ!」
「思うだけならタダだもんね」
**第5話:SNSの筋トレ投稿を見て
「#筋トレ100日 #体重マイナス10kg」
友達の投稿がタイムラインに流れる。
ツヅカナイン様がスマホを覗き込む。
「加工アプリって便利だよね〜」
「それは失礼だろ」
「じゃあ君もアプリ使えば?努力しないで結果だけ手に入るよ」
悪魔かこいつ。
**第6話:ジムの見学だけ行く
「見学は無料です!」ジムのチラシ。
ツヅカナイン様がニヤニヤ。「見学のプロになろうよ」
結局5軒見学して、どこも入会せず。
「見学スタンプカード作ったら?10軒でプロテイン1本とか」
「そんなのあるわけ…」
「ないから価値があるんじゃん」
**第7話:毎朝の言い訳タイム
6時:「今日は寒いから」
6時半:「睡眠も大事だし」
7時:「もう遅いから明日にしよう」
ツヅカナイン様が採点ボードを出す。
「今日の言い訳、65点!『寒い』は使い古されてるからね」
「採点すんな」
**第8話:ヨガマット購入
「今度こそ続けるから」
Amazonでヨガマット購入。プライム会員の特権、翌日配送。
ツヅカナイン様が商品ページを見てる。
「あ、これ俺の友達も持ってる。部屋の隅で埃かぶってるやつ」
「友達いるの?」
「挫折仲間は世界中にいるよ」
**第9話:チートデイという名の日常
「今日はチートデイ」3日連続で言ってる。
ツヅカナイン様が計算機を出す。
「週7日のうち、チートデイが8日。すごい、時空を超えてる」
「計算おかしいだろ」
「君の食生活の方がおかしいけどね」
ぐうの音も出ない。
**第10話:モチベーション動画の沼
「絶対に続く!モチベーションの保ち方」
YouTube動画を3時間見続ける。筋トレは0分。
ツヅカナイン様が拍手。「すごい!動画視聴は続いてる!」
「これは違うだろ」
「でも『続ける』って行為はできてるじゃん。対象が違うだけで」
屁理屈の天才か。
---
### 第11〜20話:挫折の深みへようこそ
**第11話:ビフォーアフター写真
撮るだけ撮ったビフォー写真。
アフターは永遠に来ない。
ツヅカナイン様がフォルダを見る。「ビフォー写真集作れるね」
「アフターも撮るから!」
「10年後とか?それまでにビフォーが何枚増えるかな」
この神様マジでムカつく。
**第12話:課金の呪い
「このアプリなら続く!」月額3,980円。
3つ目の課金制アプリ。使ってないけど解約もしてない。
ツヅカナイン様が電卓を叩く。
「月々11,940円の募金活動、えらいね〜」
「使うから!」
「アプリ会社の売上に貢献する聖人」
**第13話:仲間を作れば…
「一緒にジム行こう!」友達を誘う。
1週間後、二人とも行かなくなった。
ツヅカナイン様が笑う。「挫折は伝染するんだよ。俺の得意技」
「お前のせいかよ」
「違うよ、君たちの意志が元々…ね?」
言いたいこと全部言うな。
**第14話:プロテインという名の粉
賞味期限切れのプロテイン、全5種類。
「味の違い分かる?」ツヅカナイン様が聞く。
「飲んでないから分からない」
「じゃあなんで5種類も…あ、『今度こそ』病か」
「病気じゃない!」
「慢性挫折症候群、略してCFS」
勝手に病名つけるな。
**第15話:早朝ランニングの幻想
「明日から朝ラン」宣言して3ヶ月。
ランニングシューズがまだ新品。
ツヅカナイン様が靴を履いてみる。「お、サイズぴったり」
「返せ」
「使わないならいいじゃん。俺が散歩してくる」
「神様が散歩すんの?」
「挫折の種まきに」
**第16話:記録という名の創作
体重記録アプリに嘘の数字を入力。
「昨日より0.5kg減」実際は測ってない。
ツヅカナイン様が覗く。「フィクション作家の才能あるね」
「これは…目標体重だから」
「なるほど、異世界転生モノか。『痩せた自分に転生したい』」
ジャンル違うわ。
**第17話:新メソッドコレクター
「糖質制限」「16時間断食」「地中海式」
本棚に並ぶダイエット本、全部1章で挫折。
ツヅカナイン様が新刊を指す。「次はこれ?」
「それは違…いや、ちょっと気になる」
「せめて前の本、2章まで読もうよ」
「新しい方が効果ありそうじゃん」
「その思考が一番効果ないけどね」
**第18話:ジム会員証という名の通行証
財布の中のジム会員証、半年前から。
月1万円の寄付、継続中。
ツヅカナイン様が会員証を見る。「プラチナ会員なのに利用0回。レア」
「今月こそ行く」
「その『今月』、何回目?」
数えたくない。
**第19話:言い訳の進化
「生理前だから」「仕事が忙しくて」「天気が悪くて」
言い訳レパートリーが豊富に。
ツヅカナイン様がメモを取る。「これ、本にできるよ」
「『365日使える挫折の言い訳集』とか」
「売れそう」
「売れるかな…って乗るな!」
**第20話:他人の成功が苦痛
「3ヶ月で腹筋割れた!」友人の報告。
素直に喜べない自分がいる。
ツヅカナイン様が肩を叩く。「妬み方が上手くなったね」
「成長してないから」
「いやいや、感情に素直になるのも成長だよ」
「それ、ただの開き直りだろ」
「開き直りのプロを目指そう」
---
### 第21〜30話:底なし沼の深層へ
**第21話:フィットネスウェアという名の部屋着
2万円のヨガウェアセット。一度も外で着てない。
「高級パジャマだね」ツヅカナイン様が触る。
「運動する時に着るんだよ」
「じゃあ一生新品だね」
「一生は言いすぎ…」
「あ、ごめん。来世では着れるかも」
希望まで奪うな。
**第22話:ビフォービフォー写真
「これ去年のビフォー写真」「これは一昨年」
アフターがないビフォー写真が増え続ける。
ツヅカナイン様が並べる。「むしろ年々…」
「言うな」
「成長してる!横に!」
「それ成長じゃない」
**第23話:食事記録という名の懺悔
アプリに正直に記録したら、1日3000kcal超え。
ツヅカナイン様が画面を見る。「力士かな?」
「ストレスで食べちゃうんだよ」
「ストレスの原因は?」
「痩せないこと」
「完璧な循環システム」
**第24話:トレーナーとの気まずい再会
「お久しぶりです!」ジムのトレーナーと街で遭遇。
半年ぶり。向こうも気まずそう。
ツヅカナイン様が囁く。「『ジム変えました』って言えば?」
「嘘つけない」
「じゃあ『記憶喪失になって』」
「余計ひどいわ」
**第25話:深夜の筋トレ動画
午前2時、ベッドで筋トレ動画視聴。
「明日こそやる」と思いながら。
ツヅカナイン様が時計を指す。「もう今日だけど」
「じゃあ今日やる」
「あと22時間もあるね〜」
「…寝る」
「正解」
**第26話:健康診断という現実
「要改善」の文字が並ぶ診断結果。
ツヅカナイン様が赤ペンを出す。「ここ、『要』じゃなくて『不』にしよう」
「改竄すんな」
「現実も改竄できたらいいのにね」
「それな…じゃなくて!」
完全に毒されてる。
**第27話:フィットネス系インフルエンサー
「簡単!1日5分で腹筋割れる」
また新しい人をフォロー。これで50人目。
ツヅカナイン様がカウント。「フォロワーじゃなくて、ウォッチャーだね」
「参考にしてるの」
「参考にするだけ?実践は?」
「…今度」
「『今度』のフォロワー」
**第28話:万歩計という名の歩数詐欺
スマホを振って歩数を稼ぐ技を覚えた。
「1万歩達成!」実際は500歩。
ツヅカナイン様が拍手。「振る運動はしてるね」
「これじゃ意味ない」
「でも数字は達成してる。目標達成のプロ」
プロの意味を履き違えてる。
**第29話:サプリメント帝国
脂肪燃焼、食欲抑制、代謝アップ…
飲むサプリが食事より多い。
ツヅカナイン様が数える。「朝15錠、昼10錠、夜12錠」
「健康のためだから」
「錠剤で腹いっぱいになりそう」
「それで痩せるなら…」
「発想が末期」
**第30話:鏡という敵
全身鏡にタオルをかけて隠す。
「現実から目を背けるプロ」ツヅカナイン様が感心。
「違う、掃除中なだけ」
「3ヶ月間?」
「…長い掃除」
「人生も長い掃除中かな」
哲学ぶるな。
---
### 第31〜40話:奇跡は起きない、それもまた人生
**第31話:1週間続いた、けど
珍しく1週間筋トレが続いた。
ツヅカナイン様が落ち着かない。「調子悪いの?」
「調子いいよ」
「それが調子悪い」
「は?」
「俺の存在意義が…」
お前の都合かよ。
**第32話:リバウンドという帰郷
1kg痩せた。3日で2kg増えた。
「おかえり」ツヅカナイン様が出迎える。
「ただいま…じゃない!」
「往復ビンタみたいな体重変化」
「例えが悪い」
「でも的確でしょ」
認めたくないけど、確かに。
**第33話:成功者の裏側
「実は私も昔は続かなくて…」成功者の告白。
嘘だろ、と思う自分がいる。
ツヅカナイン様も疑い顔。「営業トークじゃない?」
「ひねくれすぎ」
「でも君もそう思ったでしょ」
「…ちょっとだけ」
「ちょっと?」
「かなり」
**第34話:家族の小言
「また?」母の呆れ顔。
新しいダイエット器具を見て。
ツヅカナイン様が同情。「家族は正直だね」
「応援してほしい」
「諦めも応援の一種」
「それは違う」
「期待されないって楽じゃない?」
楽だけど、悲しい。
**第35話:10年前の写真
若い頃の自分、細い。
「これ誰?」ツヅカナイン様が聞く。
「俺だよ」
「へー、別人みたい」
「また戻れるから」
「10年かけて?」
「やめて」
**第36話:最後の手段?
「脂肪吸引って…」検索履歴。
ツヅカナイン様が画面を見る。「ついに物理?」
「調べただけ」
「値段見た?」
「…ジム10年分」
「じゃあジム行けば?」
「それができたら苦労しない」
**第37話:開き直りの境地
「もういいや」ついに言った。
ツヅカナイン様が驚く。「諦めた?」
「諦めてない。受け入れた」
「…深い」
「太いの間違いだろ」
「自虐が上手くなったね」
成長はそこだけ。
**第38話:運動の再定義
「買い物も運動」「階段も運動」
基準を下げまくる。
ツヅカナイン様が提案。「呼吸も運動にしよう」
「それは…」
「生きてるだけで有酸素運動」
「…採用」
底辺の更新。
**第39話:仲間という名の共犯者
「私も続かない」友達と慰め合う。
ツヅカナイン様が仲間を呼ぶ。「集会にする?」
「挫折者の会?」
「略して『ざせ会』」
「ださ」
「でも需要ありそう」
確かに。
**第40話:神様の本音?
「実は君たちがいないと、俺も存在できない」
ツヅカナイン様が急に真面目に。
「需要と供給?」
「そう。挫折がある限り、俺は不滅」
「じゃあ俺が続けたら?」
「…新しい宿主探す」
ビジネスライクかよ。
---
### 第41〜50話:永遠の三日坊主、それでいい
**第41話:新年の抱負という儀式
「今年こそ!」もう聞き飽きた。
ツヅカナイン様がカレンダーに印。「恒例行事だね」
「今年は違う」
「その『今年は違う』も恒例」
「…」
「伝統芸能の域」
**第42話:ビフォーアフターの真実
SNSの変身写真を見る。
「これ、アングルと光の魔術では?」ツヅカナイン様が分析。
「夢を壊すな」
「現実を見ようよ」
「現実は見たくない」
「じゃあ一生夢の中で」
それもアリかも。
**第43話:健康食品の墓場
賞味期限切れのプロテインバー、20箱発見。
「これで家建てられるね」ツヅカナイン様が積み上げる。
「まとめ買いが安かったんだよ」
「使わないものは高い買い物」
「正論やめて」
「正論アレルギー?」
**第44話:進歩という幻想
「先月よりは…」比較対象を探す。
ツヅカナイン様が首を振る。「先月も同じこと言ってた」
「じゃあ維持はできてる」
「退化してないだけ」
「それも実績」
「実績のハードル、地面スレスレ」
**第45話:最終兵器・開き直り
「これが俺だ」ついに宣言。
ツヅカナイン様が拍手。「悟りの境地?」
「諦めの境地」
「同じようなもん」
「全然違う」
「結果は同じ」
反論できない。
**第46話:続かない才能
「君には特別な才能がある」ツヅカナイン様が急に。
「挫折の?」
「違う。挑戦し続ける才能」
「は?」
「挫折しても、また始める。それって才能」
「…詭弁だろ」
「でも少し嬉しいでしょ」
ちょっとだけ。
**第47話:神様の去り際
「最近、影薄くない?」
ツヅカナイン様が透けてる。
「君が受け入れ始めたから」
「受け入れてない」
「じゃあなんで笑ってるの」
「…」
自分でも分からない。
**第48話:それでも明日はやってくる
また新しいダイエット法を見つけた。
ツヅカナイン様が呆れ顔。「懲りないね」
「人間だから」
「それ、褒め言葉?」
「自分へのエール」
「自画自賛の達人」
**第49話:永遠の三日坊主宣言
「俺は一生三日坊主だ」
堂々と宣言。
ツヅカナイン様が消えかける。「それでいいの?」
「それがいい」
「…かっこいいじゃん」
「だろ?」
開き直りも、極めれば美学。
**第50話:また会う日まで
新しいジムのチラシを見てる。
ツヅカナイン様の声が聞こえる。「また始めるの?」
「当たり前だろ」
「じゃあ、また会えるね」
「3日後にな」
二人で笑った。
これでいい。これがいい。
---
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます