この偶然、仕組まれてるにしては地味

ユレ魚

この偶然、仕組まれてるにしては地味


そのときは、ただの違和感だった。

でもあとになって、あれは「気づかせてもらった瞬間」だったと思う。


失敗したり、びっくりしたり、

感情が行き場を失ったり。


そういう出来事のなかに、

あとになってわかる“学び”や“意味”が、ちょっとだけ混ざってました。


「そんなことある?」って、たぶんある。

「それ、ただの偶然でしょ?」って、たぶんそう。


でも偶然って、すごく地味な顔して近づいてくるから。

たぶん、そのままじゃ気づかない。



このエッセイは、

ふつうに生きてたら拾っちゃった変な瞬間を、

筆者自身が「なんか大事だったかも」と思った瞬間を

言葉に戻していった記録。


そしてこれらは、現実の顔をして近づき、いつのまにか創作の骨になった出来事たちです。


(※エッセイというより、“記憶に乗ったモノローグ”)



補足

順番は、気にしなくて大丈夫です。

ぜんぜん一致してません。

ただ、感覚はそのままです。

気になったタイトルからどうぞ。





各章について


■ 灯。──沈黙のそばで、点っていた者

気づかれない場所で、ちゃんと生き延びてた感情。


■ 蜂。──羽音で距離を測る者

近づきすぎた衝動が、危険な形で返ってくる話。

(注意:スズメバチが出ます)


■ 蜻。──風の隙間で踊る者

制御できると思っていたものが、実は他人行儀だった瞬間。

(注意:トンボが出ます)


■ 蛙。──沈む足元から跳ねる者

一度沈んだ身体だけが知ってる、反射みたいな再起動。

(注意:カエルが出ます)


■ 蛇。──越えてしまった境界のあとで

戻れない一線を、越えたあとにしか残らない実感。

(注意:ヘビが出ます)


■ 鹿。──同じ世界を通過した者

救えなかったことを、救おうとしなかったまま覚えている記憶。


■ 隙。──世界の継ぎ目に触れた者

説明できない違和感に、名前をつけずに触れてしまった瞬間。


■ 踏。──降りなかった側、名前のつかない瞬間

勝ちでも失敗でもないまま、それでも場に残ってしまった身体の記憶。



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