推しを撃った女

五來 小真

推しを撃った女

 私の撃った銃弾は、私の推しへとまっすぐ進み、推しの眉間をぶち抜いた。

 推しは苦しむ間もなく倒れ、真下へと落下していった。


『やりやがった』

『くそ』

『――どうして』


 周りの怨嗟の声は気にならない。

 むしろ推しの人気があることに満足だった。

 ――罪悪感などない。

 私は間違ったことはしていない。

 湧いてくる歓喜の感情と達成感に包まれていた。


「――わたあめでも、買っていこうかな?」


 悔しがるテキヤの店主を尻目に、私は推しの個数限定アクリルスタンドを持って帰宅した。


<了>

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推しを撃った女 五來 小真 @doug-bobson

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