ダンジョンが出現した現代。業界最大手クラン"竜の山"に所属しながらも、万年D級探索者のおじさん・小島三太は、ついに早期退職を言い渡されてしまう。非正規の派遣探索者として再就職した彼だったが、その派遣先は、才能あふれる美少女女子高生パーティだった。
昼行灯のおじさんキャラっていいですよね。普段は影が薄いけど、イザというときには頼りになるベテランっていうものに男は憧れを感じてしまうのです。
小島三太もそんなおじさん。派遣されたパーティは、美少女JK三人組で、万年D級おじさんの手助けなんて必要がない。しかし派遣先の美少女たちは、若さと才能こそあるものの、経験不足ゆえに多くの壁にぶつかる。そんなお悩みをお節介おじさんが解決していくのです。
秘めた実力や隠されたチート能力など一切ない。正真正銘D級の彼が、長年の経験と業界知識、玄人ならではの妙手と、時に卑怯ともいえる立ち回りで少女たちを導いていく様が痛快で、読者をニヤリとさせます。
年の差にもめげず、若者に本気で向き合うおじさんの奮闘。ダンジョンよりも手ごわい"世代の壁"に挑む彼の姿を、どうぞお楽しみください。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=愛咲優詩)