第13話
あなたの存在意義。
辿り着いた先。
……あなた、いる?
始めこそ頼り甲斐があった。
子ども達を愛し、私を気遣ってくれた。
家事も育児も率先してくれた。
仕事で忙しい時も「ありがとう」だけは忘れずに声をかけてくれた。
今はどうだろう。
子ども達とのコミュニケーション所か、挨拶もなし。声もかけない。目も合わせない。
自分が言い出した愛猫も寄り付きもしない。
義両親の事も自分で行かず私に任せて気にかけない。
私の両親は、宜しくやってくれ。
家事もしなくなった。
私は仕事をしながら家事育児をして家庭をまわしている。
私の事、家事も育児も両実家の事を上手くやる家政婦だと思っている…?
アイツ、要らなくね?
子ども達も自分の事は自分で出来るし、学校の事や習い事、好きな事も嫌な事も話してきた。
愛猫も子ども達と協力して世話をしてきた。おかげでアイツにしない『おかえり』のお出迎えを全速力でしてくれ、すりすり離れない。
義両親の小言も流しながら、まめに挨拶に行き、毎回の祝事にはプレゼントを送ってきた。
両親にも心配させない様にしてきた。
家計をまわし、家事をし、子ども達の事をする。
アイツはどうだ?
仕事をしてきてくれる。給料を入れてくれる。おかげで家を建て、生活ができ、子ども達の学費や習い事が賄え、愛猫も飼える。両実家にプレゼントも送れる。
けれど、それらは私も同じ。残業が出来ない分、家に入れられる給料も低いが正直変わらない。その分、家事育児をこなしてきた。
一人でも出来る…かも?
もちろん公的手当にお世話になるかもしれない。
子ども達の転校や習い事退会等我慢させなきゃいけない事が出るかもしれない。
片親、ましてや父親の不倫となれば世間体で辛い思いをするかもしれない。
愛猫を手放さなくてはいけないかもしれない。
両親に頼らならければいけないかもしれない。
有事は何もかも一人で対処しなければならない。
しかしアイツがいなければ、彼女との子を考慮しなくて良い。嫌味ばかりの義両親との付き合いも無くなる。アイツの家事も無くなる。
子ども達が今回の事、異母兄弟の事を知った時、その上での今の家族を継続した場合。
多感な時期の子ども達がどう思うのか。
いっそ離婚した方が子ども達の為になるのではないか。
いや、でも子ども達から父親という存在を取り上げて良いのか。今後の進学・就職・結婚、節目節目で“片親”が足を引っ張らないか?
しかし両親が不仲で、父親が家庭外に恋人を作り家庭を顧みない環境で育つのは、今後の人格形成で良くないのでは?
“夫”としては『不要』だが、
“父親”としての『存在意義』が定まらなかった。
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