吸血鬼になったから
ナバカリ
プロローグ
吸血鬼とは人の血を吸う化け物。人間社会に混じった、でも溶け込むことはできない異端。不死故に不変な、一種の現象に堕ちた存在。
人であることを棄てた彼らは、その人型を維持するために人の血を吸わなければならない。彼らが血から得るのは栄養ではない。
それは人としての在り方。とうの昔に捨て去った、けれどもこの世界に留まる為に必要なもの。彼らはそれを人から奪う、吸血という形で。血とはその人間の生全て。その一部を自らに取り込むことで、彼らはようやく消滅から逃れられる。
言ってしまえば、吸血鬼とは人間への寄生者なのだ。人間とは決して相容れない、絶対的な反人間。けれども人に一番近い怪物。
僕は昔から吸血鬼が好きだった。憧れていた。まさか実在するとは思わなかったし、本当に自分が吸血鬼になるなんてこと、想像すらしていなかったけれど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます