🍎『毒りんごの解毒法』

かの有名なお姫さまを殺しかけた凶器

ひとりのニンゲンに取り憑かれた狂気


手のひらにおさまりそうもない紅玉こうぎょく

──”毒林檎”


どうすれば、無毒化できるのか?


簡単だ。褒めればいい。

綺麗なところも、汚いところも、そのまま認めて。

愛してあげればいい。

ただ、それだけ。


毒林檎は「かわいい」に慣れていた。

女の子扱いされる日常。

都合のいい幻想。

嫌いじゃないけど、悲しかった。


レッテルを貼られ、出荷されるのは仕方がない。


たまたま。

お妃さまが拾ってくれた。

毒を塗られた。


──嬉しかった。毒林檎になれたことが。

──面白かった。武器になったことが。


でも。

毒林檎のことを、みんな嫌いになった。


おかしい。

見た目は同じなのに。

林檎も毒も、ここにあるのに。


物好きなお姫さまが、仕方なしに齧ってしまった。

毒林檎のことを。


愛だと勘違いするくらいに、毒林檎は飢えていた。


──毒林檎をそのまま受け入れたら。

レッテルが剥がれて、ただの林檎になる。


そう。

毒林檎は、毒を褒められたいんだ。

……可哀想に。


そんなことをしたら。

もう、ただの林檎になってしまうのに。




《舞台裏》

まあ、私は林檎も毒林檎も好きですけどね!

赤リンゴも、🍏青リンゴも、蜜リンゴも!

りんご飴も!!


林檎酢、健康に良さげ!

香りもいいはず。

お店で、カモミールのアロマを嗅げばわかると思う。


まぁ、りんごが、りんごであれば、それでいいのかも、しれませんね?



#創作詩 #短編詩 #ダークファンタジー #寓話 #毒林檎

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