第七話:湖上の花冠 エピローグ
ロッジに戻ると時間は六時半少し前だった。
まだまだ、起きてくる生徒たちはいない。
二人、毛布にくるまった園田さんと、それを介抱する瑞希先輩以外には。
わたしは思い切って率直に聞いてみた。
「園田さん、そんなにオフィーリアをやりたかったの?」
「どうしてって、オフィーリアで告白するって決めてたの」
「そしたら、絶対叶うってSNSでみんな応援してくれて」
園田さんは泣きながら謝っている。
「香枝ちゃんからなら普通に言ってくれたらOKだったのに」
瑞希先輩は今にも泣き出しそうに園田さんをぎゅっと抱きしめていた。
「だって、だって先輩、私にはチョコ、食べさせてくれないしぃ」
「私の事嫌いなんだって」
瑞希先輩の言葉にさらに泣きじゃくる園田さん。わたしは不意に行きの休憩時間のことを思い出した。先輩の言葉の意味はこれだったんだ。
瑞希先輩は園田さんにだけ、お菓子を手渡しただけで、食べさせてあげたりしていなかった。
「あ、あのね香枝ちゃん。わたしもあなたのこと好きよ」
「でもね、ホントに好きな人には馴れ馴れしく親しげに出来ないの……」
「ごめんね不器用で」
雪乃先輩はとろんとした目つきで
「眠くなってきちゃった」
急にそれだけを言うと、わたしの膝に頭を乗せてきた。
柔らかな寝息は寝たふりなのかどうなのかよくわからない。
みんなが起きてくるまでには起こさなきゃ、それだけを考えながらわたしは、夜通し謎解きを済ませたオフィーリアの前髪をただ、優しく撫で付けるのだった。
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