トラック3 カノさんのふわふわ梵天(特製)後編

(前編の続き)


(片方の梵天、終了)

(カノ、主人公に呼びかける)

(耳元で囁く)「ねえ、こっちはもうおしまいにしない?」

「もう片方もふわふわしたいでしょ?」

(主人公、寝返りを打つ)

//SE 寝返りを打つ音

「はい、良い子良い子」

「いくよ~」

(カノ、もう片方の梵天開始)


//SE 丸めた毛束で梵天をしている音

梵天のみのパート3、数分


(台詞入りパート3)

(カノ、梵天をしながら、主人公と話している)

(主人公、段々と眠くなってくる。「……また、眠くなってきました」)

「また、おねむの時間?」

「ふふっ、やっぱり少年だなあ」

「いいよ。今度こそ、ちゃんと寝かせてあげる」

「もう起こさないからゆっくりしなよ、少年」

(台詞入りパート3、終わり)


//SE 丸めた毛束で梵天をしている音

梵天のみのパート4、数分


(台詞入りパート4)

(主人公、うつらうつらしながらカノに話しかける。「……カノ、さん」)

「どうしたの? 少年」

(カノ、主人公の言っていることが聞き取れず、聞き返す)

「え? 何か言った?」

「ごめん、よく聞こえなかった」

(主人公、再度ぼんやりした声で言い返す。「……ずっと、ここにいたい、です」)

「……へえ、ずっとここにいたいんだ?」

(呆れたように)「……あーあ、もう寝てるし」

(主人公、もう寝息を立てている)

「よっぽどここが気に入ってくれたんだね、君は」

「そう思ってくれてるのは嬉しいな……でもね、少年」

(声を低めて)「あんまりそういうことは言わない方が君のためだよ」


(耳元で囁く)「お姉さんからの忠告、よく聞きなさい」

「こんなんでも私は神様だからさ」

「君のお願いを簡単に叶えてあげられるんだ」

「……でも、それって君が元いた世界から」

「違う世界へ永遠に閉じ込めちゃうことと同じだからね」

「オススメはできないよ」

「……って、神隠ししちゃってる私が言うのも変だとは思うんだけど」

「でも、私だって一人の人間を閉じ込めるような趣味はしてないしさ」

「だから、君はちゃんと帰った方がいいよ」

「ここはのんびりしてて良く見えるかもしれないけど」

「人間には少しのんびりしすぎてると思うんだ」

「言っちゃ悪いけど、君は私ほど長く生きられないだろうから」

「元いた世界で短くて楽しい人生を謳歌しなさい」

(耳元で囁く)「わかったか~、少年?」

(主人公、まだ眠っている)

「……ぐっすり、だ」

「よっぽど疲れてたんだな~」

「君も寝ちゃったことだし、梵天も終わりにしようかな」

(梵天、終了)

(カノ、あくびをする)

「……ふああ」

「寝てる少年を見てたら、私まで眠くなってきちゃった」

「起こす前に、私も寝ちゃおうっかな~」

「……もちろん、君の隣でね」

(カノ、寝ている主人公の右隣に移動する)

//SE 左方から右方へ移動する足音

「お隣、失礼しま~す」

(カノ、主人公の右隣に寝そべる)

//SE 右方で横たわる音

(右耳の近くで)「近くで見てると、君って結構美男子だなあ」

「イケメン? って言うんだっけ、最近だと」

(声をひそめて)「……やっぱり、この世界から帰したくないかも。可愛すぎて」

「もちろん冗談だけどさ~」

「……なーんて、馬鹿話はここまで」

(カノ、もう一度あくびをする)

「……ふああ、あ」

(右耳に囁く)「……おやすみ、少年。夢でも会ったら仲良くしてね」

(カノ、眠りにつく)

「……すう、すう」

(カノの寝息、数回)

(眠りに落ちた二人から少し離れた先で、風鈴が鳴る)

//SE 風鈴の音、数回


 トラック3 終了

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