トラック1 カノさんのアロマオイル耳マッサージ後編

(前編の続き)

//SE オイルで耳をマッサージしている音

マッサージのみのパート、数分


(マッサージパートのみの後、台詞入り)

(カノ、マッサージをしながら主人公と話している)

(主人公、尋ねる。「アロマオイル、良い匂いしますね」)

「良い匂いするでしょ、このアロマオイル」

「カミツレの香りのやつだよ~」

「今風に言うと、何だっけ……」

(主人公、答える。「カモミール?」)

「うん、それだ。カモミール」

「さすがは現代人だね~」

(主人公、尋ねる。「ていうか、なんでここにアロマオイルがあるんですか?」)


「ん~? なんで私の部屋にアロマオイルなんてあるのかって?」

「ここが私の世界だから、かな」

「私が欲しいと思ったものは、何でもこの部屋の引き出しに現れるんだよ」

(主人公、答える。「そんな便利なものが……」)

「ふっふっふ、便利でしょ~」

「……と言っても、引き出しの数多すぎるからさ」

「どこに出てくれるのか、わからないのがちょっと不便かな」

(少し残念そうに)「便利なのか、不便なのかよくわからないよね~」

(主人公、答える。「物事にはいろんな一面がある、ってやつか……」)

「お~少年、良いこと言うね」

「そうそう、物事には良いことと悪いことがあるんだなあ」

「それはどこの世界でも変わらないってことだね」


//SE オイルで耳をマッサージしている音

マッサージのみのパート二回目、数分


(マッサージパートのみの後、台詞入り)

(カノ、マッサージをしながら主人公と話している)

(主人公、尋ねる。「あの、カノさんはおいくつなんですか?」)

「え~? 私が何歳かって?」

(とぼけたようにむっとして)「むう、少年。女の子に年齢聞くのはもてないぞ~」

「な~んて冗談、冗談」

(考えるように)「……あー、でも今の私何歳なのかわかんないなあ」

(主人公、驚く。「わかんないんですか!?」)

「わかんないよ~。すごく長く生きているもん」

「う~ん、1000歳以上は生きているかな~、多分だけど」

(主人公、驚いて絶句)


(からかうように)「驚きすぎて、言葉も出ないか~。可愛いね、少年」

(得意げに)「伊達に神様やってないからね~」

(主人公、呟く。「だから自分のこと、『少年』って呼ぶんですね……」)

「そうだよ、だから君のことは『少年』って呼んでるの」

(主人公、答える。「自分、一応大人なんですけど……」)

「そうか、君も一応大人なのか」

「ごめんね、私からしたら人間なんてみんな『少年』『少女』だからさ」

「じゃあ、他の呼び方した方がいいかな?」

(左耳に囁く)「何がいい? お兄さん?」

(右耳に囁く)「それともお・に・い・さ・ま、とか?」

(主人公、照れて言い返す。「か、揶揄ってますね!?」)

「ありゃりゃ、バレちゃったか」

「反応可愛いから、ついつい揶揄いたくなっちゃうんだよな~」

(主人公、言い返す。「もう、『少年』でいいです……」)

「ああ、そう? じゃ、『少年』で」

(台詞パート終了)


(台詞なしのマッサージパート三回目。省略可)


「そろそろもみほぐしも終わりにしようか」

「じゃあオイル、私のハンカチで拭いちゃうね」

(カノ、懐からハンカチを取り出し、主人公の耳を拭く)

//SE 耳をハンカチで拭く音

(主人公、聞く。「なんか、アロマオイルとは違う良い匂いが……」)

「え~、どんな匂い?」

(主人公、照れながら答える。「あ、甘い匂い……」)

(にやにやしながら)「へ~、私のハンカチは甘い匂いがするのか~」

「しかし、なかなか君も言うねえ」

(主人公、再び照れる。「へ、変な意味じゃないですよ!」)

「はいはい、変な意味じゃないんだね。わかったよ~」


 トラック1 終了

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