この作品は、怪人と英雄が戦う近未来を舞台に、英雄になることを夢見ていた少年が、怪人として生きながら自分なりの正義を貫こうとする、異色のヒーローアクションです。
この世界では、英雄による怪人討伐が大衆の娯楽となり、怪人は倒されて当然の存在として扱われています。しかし、主人公の魁人は世界征服を掲げる秘密結社に所属しながらも、困っている人を見捨てられない優しさを持っています。
特に面白いのが、英雄と怪人という立場を単純な善悪で分けず、それぞれの行動や考え方を通して、本当の正義とは何かを問いかけているところです。
また、裏社会の秘密結社同士が繰り広げる異能バトルも迫力があり、個性的な登場人物たちの掛け合いには、過激ながらも独特のユーモアがあります。
一方で、力を持っていても救えないものがあるという現実や、自分の自由のために他人の自由を奪うことへの疑問など、単なる勧善懲悪では終わらない奥深さにも魅力を感じました。
正義と悪が単純には割り切れない世界観や、自分の信念を貫こうとする主人公の異能アクションが好きな人にはおすすめの物語だと思います。
夢や希望を抱くことは容易いです。ですが、それを抱えて生き続けることがどれだけ困難なコトか。
たとい夢見たモノが手の届く場所に在ったとしても、立場やおのれに科したものがそれを阻むことも良くあることで、世界の不条理を如何様にかき分けて進むのかが、その人物の生き様と呼べるに違いありません。
ヒーローを夢見ることを稚拙幼稚と嘲笑うことなかれ。
「無理だね」と斜に構えて鼻で笑う連中には「先ず全力で挑んでからものを言え」と、叩き付けて応援したくなる者どもが登場します。それもゾロゾロと。
もちろん、主人公はその筆頭株。問答無用ですよ。
強い某かを纏う者は、ソレを見る者を映す鏡ともなり得ます。
さてあなたにとってこの者どもは、あなた自身をどの様な姿で映すのでしょうか。