でもそれはもっと(七)
ぼくはスマホを手に鍋の具材を注文しようとしたが、気を変えて、外に出ることにした。
賃貸マンションのドアを開けると、灼熱の壁がぼくの身を襲った。日が暮れていたとはいえ、ガンガンにエアコンを利かせた部屋に何日も閉じこもっていた体には、耐えがたい暑さであった。
それでも我慢して、ぼくは家からいちばん近いコンビニに入った。夏なので、鍋のスープはなかった。しょうがないので家にある調味料で何とかすることにした。野菜とビールを買い物かごに詰め込み、レジへ向った。無精ひげでひどい顔をしていただろうが、店員は無表情のまま応対した。
「バーコードでお願いします」とスマホの画面をぼくは見せた。それに対する返事はなかった。
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