このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(168文字)
毎話に寄り添う詩が物語を静かに彩り、雨や季節の情景が澄んだ筆致で紡がれる。読みやすくも美しい、心に雨音が残る小説。
さまざまな本を読み、歌を聴いて育ったひとりの少女。言葉と音楽に包まれて過ごす中で、彼女の胸にはひとつの夢が芽生える。人の心に深く響く歌詞を紡ぎ、歌を生み出すこと。本作はその少女の繊細な感情の揺らぎと歌詞を実際にリンクさせた意欲作です。物語と詩が溶け合い読む者の心に残る、そんな作品となっています。ぜひご覧ください!
ストーリーは、主人公が自分にできることを求めて「作詞」に辿り着くところから始まり、生まれた歌詞と物語が交互に綴られていきます。また、実際にその歌詞は作曲AIを利用して音楽になる、という試みも面白いところです。彼女の心が生み出す想いを歌詞にして、音楽として世界に放つ物語。創作とは何か、というクリエイターならば誰でも考える疑問への一つの答えがここにあるのかもしれません。あなたも「羽鐘の心」に触れてみませんか?