お題「またね」

命は儚い。


人は強いようで、本当は弱い。

交通事故はもちろん、朝布団をまくると冷たくなっていたなんてのは、よく聞く話だ。


人は簡単に死ぬ。


けれど私達は、別れの時に「またね」と言う。

たとえ明日また会う予定だとしても、今日無事に帰れる保証はどこにもない。


では「またね」と言う人は、命の儚さを理解していないのだろうか。

平穏な日々がいつも通りに続いていくと考えている、呑気な人なのだろうか。


きっとそれは違う。


「またね」と言うのは、願いなのだ。

また会いたい、また会えますように。

そんな願いが込められた言葉なのではないだろうか。


だから私は今日も「またね」と別れの言葉を口にする。

また明日も、この平穏な日々が続く事を心から願って。

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