4 君と見た海

「寒っ!」

「流石に冬の海は寒いな!」

 夏のあの日よりも今日の海は荒れていて、大声を張り上げなければ一緒に来た友人と会話するのも難しい。だからこそ、小さな声で本音を呟く。

「…大好きだったよ」

「え?何て?」

「何でもない!」

 発つ前に、どうしても君とこの海が見たかったんだ。

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