第13話 人気者に会った

?「俺の存在が世に知れ渡った…その始まりは…案外静かな出会いからだった…」

?「たまたま神社の床下で眠ってたら…お茶を飲む婆さんと出会ってな…」


?「それからは…物珍しさに多くの人間たちが俺を探し回ってた。」

?「逃げ隠れを続ける日々…だが…次第に俺はある楽しみを覚えた。」


?「人間たちが悔しがる所…あと一歩のところでの逆転…」

?「それが…俺の楽しみであり…強さなんだと…」


?「だが…コイツは格が違う…背を向けたら終わる…俺初の危機感…」


皆んなから追われる人気者

ツチノコ

能力「???」


数分前…


ツチノコ『なあ…人生で一度は…ぶっ飛んだことをしてみたいと…思ったことは無いか?』

ツチノコ『俺にはある。』


ドラゴン『私は毎日ぶっ飛びまくってるけど…』


ツチノコ『俺にとって…逃げは最大の武器だ。』

ツチノコ『思い当たれば…乱世の時から…見つかり次第…ガキに追いかけ回されてたな…あいつら元気いっぱいだった…』


ドラゴン『何?武勇伝?それなら私にも沢山あるけど…』


ツチノコ『だが…結局…俺を捕まえることは今まで出来なかった。』

ツチノコ『そして…このよく分からない世界に来てからもそれを続けていく…』


ドラゴン『勝手に向こうでしてれば?』


ツチノコ『あと…これは気になったことなんだが…』

ツチノコ『そのツノ…飾りか?』


ピクッ

ドラゴン『今…なんて言ったの?』


?『あれ…なんか雰囲気変わったような…』


ドラゴン『これは…飾りでも無いわ…小さい頃からの私にとって…自慢のツノよ…』


ツチノコ『そうだよな…なんかそのツノ…飾りの様に安っぽかったから…そう思った。ハッハッハッ!』


ブチッ!!

ドラゴン『はあ…』

ドラゴン『キレさせたのは…あんたなんだからね…』


ゾクッ…

ツチノコ『!?』


ツチノコ(急にだ…急に来た…)

ツチノコ(全身が震え上がる感覚…)

ツチノコ(直感で感じた…)


ツチノコ「死ぬ…と…」


ツチノコ(来る!?)

ツチノコ(使うしか無い!)

ツチノコ『一攫千金(スリリングタイム)!!』


能力「一攫千金(スリリングタイム)」

・発動すると、視認した目標(ターゲット)の頭上にランダムな制限時間が設定される。

・制限時間がカウントされている。発動中は、自身が思い付く「どんな逃げ方」も実現できる。

・その代わりに、目標(ターゲット)に対して「危害を加える」ことを含む「一切の干渉」が不可となる。

・自身の衣服に接触または、制限時間を切っても目標(ターゲット)が自身を認識していれば、自身にペナルティが科せられる。

・その場合は、能力が強制的に解除され…24時間は能力が使用不可となる。

その為、どんな逃げ方をしてでも制限時間内に目標(ターゲット)から逃げ切る必要がある。


ドラゴン『あっそ…』


ガシッ!


ツチノコ『え?』


ドラゴン『なんだ…名前の割に大したことないのね…』


ドラゴン『どう…逃げれるもんなら逃げてみなさい…』

ドラゴン『握力でなら…もう握り潰されてるわよ…』


ツチノコ(ナノサイズに…あれ…発動しない…そうか…)

ツチノコ(捕まれば…24時間使用できないんだった…)


ドラゴン「フフッ…」

ドラゴン『なんて…冗談冗談…ドラゴンジョーク…』


ドラゴン『その気ならとっくに、この大陸なんて跡形もなく消え去っているわ…私の炎は、弱火で海なんて一瞬で干上がる訳だし…』

ドラゴン『陸も海も空も星も…逃げ場なんて元々無いよ…』


ツチノコ『ジョークか?これ…』


ドラゴン『私にとっての抑止力は、家族だけだからね…肉の恩はそれだけデカいのよ…』


ペガサス(耳が良いのって…コエー)


ユニコーン『?』


上の世界…


ローサル『さて…トロイス…なぜ君が、ファルスに手を貸したのか…僕には分かるよ…』

ローサル『あいつについて知っているのは…僕の様な上級天使だけだ…それを知っているということは、君はそれなりの地位にいることになる…』


ローサル『やはり…「監視者」は君か?トロイス…』


トロイス『はい…私が監視者です。』

トロイス『あの人の付き人であり…監視者でもある…主神より命じられた役目…』


ローサル『やはり…下の世界にファルスを落としたのも…』


トロイス『はい…全ては主神の令に従ったこと…』


ローサル『よし…分かった。』

ローサル『でも…まだその時には早い…』

ローサル『これも…時間稼ぎにしかならない…』


ローサル『あいつの決意は、その時になるまで分からないものだ。』

ローサル『この繰り返す日々に…終止符を打つまで…俺たちは、見届けることしかできないのだから…』


トロイス『はい…』

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