漫才2「UFO」

幌井 洲野

漫才台本「UFO」

<これは漫才台本です>

セリフの掛け合いをお楽しみください。


【UFO】

二人 「どうもー、アヤミとアズサで、アヤアズです~、よろしくお願いします~」

アズサ「アヤミ、あんた、アヤミやんな」

アヤミ「またきたか。相方の名前くらい覚えとってな」

アズサ「覚えとるよ」

アヤミ「ほなら、なんでいつもウチの名前聞きなおすねん」

アズサ「いや、アヤミに、あんたアヤミやんなて聞いたら、なんやおもろいことでも起こるか思うて」

アヤミ「なんも起こらんよ。せいぜい、ええかげんにしいや、ぐらいや」

アズサ「ほら、ほなら、漫才終わってしもうて、おもろいやんか」

アヤミ「次、行かせてもろてええかな?」

アズサ「はい、失礼しました」

アヤミ「ほんで、今日は何の話持ってきてん?」

アズサ「ウチ、こないだUFO乗ったん」

アヤミ「うわ、そう来たか。UFOて、裏庭の、富士山は、大きいな、か?」

アズサ「裏庭に富士山なんかあるか」

アヤミ「そやかて、UFO乗った言うたら、一応、えらい大変なことやで」

アズサ「なんや、いちおう、か。もっと騒げ」

アヤミ「騒ぐのはええけど、何かくれるか?」

アズサ「あとで回転焼き買うたるわ」

アヤミ「おおきに、ほんで、乗ってどうしたん?」

アズサ「まずな、左側のドア開けんねん」

アヤミ「UFOて、左側にドア付いとんの?」

アズサ「右側にもあるけどな。ウチは左側から乗る」

アヤミ「ふうん、両側にドアあるんか。便利そうやな」

アズサ「便利やで。真ん中にはカーナビ付いとるしな」

アヤミ「UFO、カーナビ付いとんの!?」

アズサ「うん、自宅帰るとか一発や」

アヤミ「自宅言うたら、アンドロメダ星雲とか?」

アズサ「アホか。なんで自宅がアンドロメダなんやねん。ウチの自宅は大津やんか」

アヤミ「そやって、あんた、UFO言うてるやんか。UFOの自宅が大津なんか?」

アズサ「いや、間違えた、自宅は、塩津や。近江塩津。湖北やんか」

アヤミ「え、UFOて、近江塩津から来とんの?」

アズサ「そうやで、あの幽玄な雰囲気とか、いかにもUFOぽいやんか」

アヤミ「うーん、湖北言うたら、UFOよりカワウちゃうんかな。飛ぶし」

アズサ「え、飛ぶ? ウチのUFOは飛ばへんで」

アヤミ「飛ばへんて、UFOやから、未確認飛行物体やろ?」

アズサ「なに言うてんねん。UFO言うたら、ウチが、フロントバンパーこすった、おばあちゃんのクルマ、やんか」

アヤミ「・・・」

アズサ「塩津のおばあちゃん、笑うて許してくれてんけど、それからウチによう運転させてくれへんの。そやから、ウチ、左側のドアからしか乗れへんねん」

アヤミ「あー、助手席な」

アズサ「うん、悲しい」

アヤミ「おばあちゃんの方がもっと悲しい思うてるで。孫にバンパーこすられても笑ってすまさんとあかんし」

アズサ「おばあちゃん、ホンマかんにん! 今度ホンマのUFO買うたるから」

アヤミ「ホンマのUFOてなんや?」

アズサ「焼きそばに決まっとるやんか」

アヤミ「ええ加減にせえ」

二人 「どうも失礼しました~」

(了)

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漫才2「UFO」 幌井 洲野 @horoi_suno

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