第4回「G’sこえけん」音声化短編コンテストに参戦中のこの作品。たしかに魅力的なヒロインの声を聴きたいと思う。
だがしかし、ワタクシは声だけではとても満足できない。このヒロインの姿が見たくてたまらない。ボイスドラマもいいが、コミック化、いや可能であれば一気にアニメ化まで進めて欲しい! ヒロインの造形アイディアが素晴らしすぎます! 声だけだなんてもったいない!
AIバージョン、普段バージョン、そして真の姿バージョン。想像力が掻き立てられるのはいいですが、是非この目でも見てみたいです。
キャラクターデザインは少年アシベの森下裕美で、ヒロイン役の声優さんは永遠の17歳の井上喜久子様でぜひお願いいたします。🙇♂️
この書を、手にとって今から読まんとしているあなたに、
まずチュートリアル的にこの質問を投げかけてみようと思う。
世界一甘いが、なーんか汗臭いショートケーキがあったとして、それをあなたは美味しくいただけるだろうか?
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物語の主人公は、冴えないサラリーマンです。
まあ、要領があまりよろしくない方なのかもしれません。
そこに、会社の半ば実験的な方針で、彼専属のAIが導入されることになりました。
こうして主人公は、
思いやりがあって、声が美しく、美少女AIにプライベートまで干渉されちゃって、
やれやれ困ったぜ。
…… …… …… ……などというありふれた設定を、天才、志草ねな先生は書かないんですよ!!
お世話してくれるAIが美少女だと逆に仕事の能率が上がらんだろう(確かにそうだ……!)ということで、
ちゃーんとこのAIのビジュアルは、おっさんです! まあまあ、ガッツリおっさんです。ただ!! 声だけなぜか萌え系なんですって!
何ですかその地獄みたいな設定は!! どうしたらこんなん思いつくんですか!?
しかし、この作品に笑うことというのは、ともすれば人の容姿、外見を笑うことになるんじゃないのか……などと自分に対する倫理観的な疑問を投げつけてしまう……と考えていたら最後の方に! ますますルッキズムとはなんだ!? という展開が待ち受けております!!
色々考えさせられますが、天才的な物語なのには間違いないです。
あ、さっきのケーキのことですが、あなたにはこちらもプレゼントしますよ。
世界一甘いけど、ウ●コの匂いがするショートケーキです。
いやあすごい。
ご一読を!!強く、おすすめいたします。
いい具合で脳が破壊されるコメディです。ある日ダメ社員で主人公の瑞也に会社側から配備されたサポートAI・ビンカさん。彼専用のAIなのだという。
「とふっ! ……このコーヒー、熱いです!」
目を閉じれば聞こえてくる可愛くて素敵なヒロイン声。しかし、ひとたび目を開ければそこには五十代位のオッサン顔が……
瑞「ちょっと待てー! なんなんだこれはー!」
AI「あれぇ? 瑞也くんどうしたの?」
AIのタブレット画面のオッサンが素敵な声で喋るのです。そして機械から漂ってくる加齢臭。声だけヒロイン、それ以外は最悪……しかも持ち帰らないといけないくだりも相まってもぅ完全に想像の斜め上をいってますね。これは面白いです!
AI「瑞也くーん!」
瑞「やめろー! お前は電源切ってろ! 俺は一人で仕事する!」
このコメディな掛け合いが堪りませんよ。
ぜひ堪能してみてください。
志草ねなさんの『声だけヒロイン、ビンカさん』を拝読しました。とても面白く、一気に最後まで読み切りました。
まず素晴らしいのは、読者を引き込むギャップとテンポの良い掛け合いです。
主人公・瑞也の前に現れる「最高の声×最悪の外見」のAIビンカという発想が秀逸で、そのミスマッチが笑いを生みながらも、次第に愛着に変わっていく過程が自然に描かれています。ハーバード(ハートマン&バード)大学のくだりや、紙で顔を隠す→吹き飛ばされてキス寸前に見える場面など、細部のギャグもテンポ抜群でした。
また、物語中盤から明らかになる柄野敏華=地味メガネさんの正体の展開が印象的です。M-ON星人であること、地球人から怪物に見えるためスーツで生活していることが語られるシーンでは、これまでのコメディ調の裏に温かさと優しさが現れ、キャラクターへの好感度が一気に上がりました。瑞也が「俺の前では本当の姿でいて大丈夫」と伝える場面は、笑いを交えつつも胸に残ります。
さらに、AIビンカも単なるギャグメーカーではなく、主人公を励まし支える存在として描かれているため、「笑って終わり」にならない読後感の良さがあります。最後には「友達が二人もできた」という幸福感で物語が締まり、軽快なのに温かい物語世界が印象に残りました。
志草さんは、会話劇の巧みさとキャラ造形の魅力に加えて、ギャグの裏に優しいメッセージを忍ばせる構成が本当に見事です。
このヒロイン像。「そう来たか!」と衝撃を受けること間違いなしです。
声だけヒロイン。どういう存在だろう、とタイトルを見て想像させられます。幽霊みたいに声だけが聞こえる女の子とかが出てくるんだろうか?
そして、明かされる正体。
……そっちかよ!!! とツッコミを入れさせられること不可避。
主人公の大井くんのもとにサポートとして届けられたサポートAIの「ビンカさん」。その声は可愛らしい女性のものだった。
声、だけは。
果たして、「彼女(?)」の声以外がどんなものだったのかは、改めて本作を紐解いて確かめてみて欲しいです。「それ」を知ってからはもう、本編を読み進めることをやめられなくなります。
葛藤。葛藤。葛藤。
これはいわゆる「脳を破壊する」コンセプトにもなりうるかもしれません。自分がビンカさんと遭遇したら、どう折り合いを付けて行けばいいか。
その上で、いくつかの伏線が収束し、「思わぬ結末」へも。斬新なコンセプト、軽快なノリ、テンポよく読み進められる文章。そして意外な真相。
あらゆる点で読者を楽しませてくれる、素敵な作品です。