第17話:【白銀】

白銀シルバー】の異名を持つものと聞いたけど、なんか、【守護者ガーディアン】は愚か、【エル・シドロン】よりも弱い気がする。覇気がないというかなんというか、こいつ本当に強いのか?という疑問が容易に湧くくらいだ。


「おぉ!スラクス!久しぶりじゃないか!」とアランが大声でいう。

「大声、、、、てことはあなたはアランさんですか?」とスラクスが聞き返す。

「ああいかにも!」とアランが返す。


少し、目を凝らして魔力などを観察したがあまり魔力総数も多いというわけではない。【白銀シルバー】も訳が分からない名前だしとおもって棒立ちになっていたら気が付いたかのようにこっちにきて


「こいつ誰?」と急に態度を変えてくる。

「まさか、こんなへなちょこみたいなやつが今回の戦闘に加わるの?なら僕は帰りたいよ?」と続けて言う。

「すくなくとも、アラン隊長とともに行動しているということは近衛兵クラス?こんな弱くて役に立たなそうなやつが?」とさらに口を出してくる


「まぁ、お前には弱者に見えても俺からは強者に見えただから作戦に加えたし、アルトリア精鋭の軍に入れた」とシドロンが答える。


「もともと、君が副隊長の器じゃないと僕は思ってるけどね?」とシドロンに向けて今度は文句を口にする。

「はぁ、であればそれぞれと一対一で戦えばいいな!」とアラン隊長が口にする。

「こんな雑魚なんて一捻りしてやりますよ」と自信ありげにスラクスは言う。


発言を聞けば聞くほどイラついてきた。

なんだこの頭おかしい子供は?こんな奴が作戦に加わるのはごめんだ


「あぁ、俺もちょうどやりたくなってきた」

「雑魚のくせに」とスラクスは言う。


「はぁ、であれば訓練ということで片づけてやろう」と遅れてきたロゼルクが言う。

「ロゼルクさん、もう引退でしょうか?まだ最前線で戦うイメージをしてたんですが、、」と口調からわかる通り姿勢を180度回転する。

「お前も、相変わらず己よりも弱いと思ったものに対しての態度は健在のようだな」

「おい、ふざけんな!僕は兄よりも魔法が優れているし、神剣も持っている!これで力は十分だろう!」とロゼルクに対しても怒鳴る。


神剣、俺が何かわからないままそれは神剣か?と聞かれた謎の代物か

打ち砕いてやるか、お前の意志とプライドを


「では決まりだな!」とアランが片付ける。


あたりを真剣な空気が包み込む。

月が空に昇る夜がやってくる。

二人のものが月が見守る中で対になって立つ。

それを見守るものが多数……


「訓練!朝霞対スラクス……開始!」とアランが開戦の合図をする。


「出でよ我が神剣【疾風剣:アルメトリア】」とスラクスが唱えると、その右手には白銀の剣が顕現される。

あれが白銀と呼ばれる所以ってことで間違えないと思う。


光弓リル・ルガエル】を不完全な魔力量で弾幕として放つ。

それは、途中まで進み急に停止してグレーの霧を出して爆発する。

波乱陽炎ウェーブ・アトラ・ファイ】を地面に向けて放ち、地獄のような環境を整える。


今の環境は視界が見えなくて蒸し暑い


魔力人形スレイ・オブ・ヒュート】で俺の魔力をまとった人形を作る。気配はこれで偽装できる。


「はぁ!?いやな戦法してきやがって!」とスラクスの声が聞こえる。

旋風オーバー・クロス】とそいつは煙を払うために風を起こす。

煙が晴れたときにあったのは炎の渦と魔法人形と俺、


思ったよりも煙を払うまでの判断が速いな。俺は煙に向かってあらかっじめかけておいた魔法が発動するか確認する

罰則ペナルト】と俺は煙に仕掛けておいた魔法が発動したのを確認するとその場に座り込む。

「どうした?諦めたか!見ろ!これが僕の実…グフ⁉」とスラクスはしゃがむ。見れば吐血をしている。


あら、やりすぎたか…と思いつつ、魔法が無事に発動したことに安堵する。

罰則ペナルト】、術者が定めた規定の条件と連鎖して使う魔法

発動するかはかけだったが、発動してよかった。どちらにせよまだ手札はたくさんあるしな。


「グフッ!!?…な、、、なぜ僕は吐けグフ⁉」とスラクスは血を吐いている。

どちらにせよお前の負けだよその剣も示せぬまま負ける。お前にとっては一番の屈辱だよな…


かつての自分もこういう体験をしたな

そう思いながら最後の一手を打つ。

判決ペナルト・アレクス】と俺はその罪を判決によって確定する。

今までは吐血で済んでたものに加えて、おまけで意識朦朧、眩暈、出血を付けてやった。


この魔法は相手がこの魔法を使えない限り、一方的な殺戮になる。

なぜなら、術者が法、術受者が罪人という立場なのだからな


と思い、勝利を確信し、後ろを向き歩みだす。

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