第2話 姑サイド
嫁が私に″世界一の仕事″をしたと言った。
立派と言った。
尊敬したと言った。
涙が止まらない。
義母さんに何度も言われていた。
「孫の嫁はまだ子供ができないのか?三年経っても出来なければ石女だから追い出しなさい。」
「早く跡取りを産むように言いなさい。私が死ぬ前に必ずよ。わかったね?」
そう言われるたびに、嫁に催促したい気持ちを押し殺していた。
自分だって姑にいびられて嫌な想いをしたんだから、絶対に嫁にそんなことは言わないと決めていた。
それなのに、初孫が女の子と知って爆発してしまった。
そんな私を嫁は、世界一の仕事をしたと、立派と、尊敬したと言った。
感情が溢れて涙が止まらない。
なぜだかわからない。
肩ではなく心が痛い。
痛いのに、暖かい。
苦しいのに、嬉しい。
なんでこんなことを思ってしまうんだろう。
わからない。わからないけど涙は止まらない。
震える足でどうやって我が家に着いたのかその記憶すらない。
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