第15話
シュンランは鉄球をブンブンと大きく弧を描くように振り回してシャウを睨み付けていた。一方シャウは腰を低く保ち、クラウチングスタートの体勢でシュンランを睨み付けていた。
(なんなんだぁ?あのエルフの魔法....手首から豚みたいにデカイ鉄球が生えてきたぞ...それにエッセンの足を地面埋め込んだあの魔法...まともに喰らえば御陀仏だなぁ....)
「さぁどうする童?動かぬなら此方から行くぞ?」
そう言ってシュンランは鉄球をシャウに向かって思いっきり投げた。
「うぉ!あっぶねぇ!」
シャウは鉄球を横に飛んで避けた。しかし、シュンランは続けて空いてる手で魔力で固めた氷を投げ続ける。だがシャウは王室を一周して鉄球がシャウの真横まで来た時に、シャウはその鉄球の鎖を掴み取り、そのままシュンランに投げ返した。その鉄球はシュンランの顔面に命中する。
「うぐッ!」
「へへ……どうだ?痛いか?その鉄球見たいな奴、お前の魔力を練り込んで血管を太くして巨大化させて、更に硬化させて切れねぇようにしてるだろ?それで手から出して鉄球のように扱えてるんだ。だがその鉄球でダメージ喰らうんだ。ざまぁねぇな!」
「ふふ……確かに痛いが、こんなもので妾を殺せるとでも?」
シュンランは鼻血を垂れ流しながら余裕の表情で挑発した。その間に鼻はすっかり治っていた。
「あぁ?なら試してやるよッ!」
シャウはナイフを両手で振り回しながらシュンランに突進して連続で斬り付けて来た。しかし、シュンランは冷静にシャウのナイフを避け続けた。その隙にシャウに向かって氷魔法で出来た槍を放つが、シャウはナイフで槍を防いだ。ならばとシュンランは今度は息を大きく吸い、頬が限界まで膨らんだと思ったら、一気に真っ赤に燃える炎を吐き出した。
「あっっつッ!?クソォ!炎魔法も扱えるのかッ!ならッ!」
シャウはシュンランに向かってナイフを投げつけた。その隙にシュンランの真後ろに走ってナイフで斬りかかろうとしたが、横から何かがシャウの頬を殴り付けた。シャウは受け身も取れず、思いっきり地面を滑るように飛ばされた。
「ぐあッ!な、なんだ...ッ!?」
シャウがすぐに立ち上がり、攻撃された方を見ると、なんと茶色に輝く魔方陣が宙を浮いており、そこから岩で出来た拳が突き出ていた。
「ふふ……ワタシは魔法が2~3個しか使えぬとでも思ったかぁ?残念、ワタシは全属性魔法も得意なのじゃ。」
「す、凄い...これが、シュンランさんの実力....いや!感心してる場合じゃない!この隙に..」
ユリは急いでラクザンガの所まで走り、ラクザンガに抱きついた。
「ラック!大丈夫!?今、回復させるからね!」
「ふぅ…ふぅ…あぁ、すまねぇ...頼む...」
ユリはラクザンカの身体を撫でながら、回復魔法を掛け続けた。するとシュンランとエッセンが再び、戦闘に入った。
「クソがぁ……ッ!調子乗ってんじゃねぇぞッ!」
シャウはナイフをより速くシュンランに突進して斬り付けようとする。しかし、シュンランはまた避け続ける。しかも今度は余裕そうに。そしてシャウのナイフの刃がシュンランの髪を掠めたその時、シャウのナイフが急に止まったのだ。
「なッ!?なんだ!?足に何かが...ッ!!」
シャウが足元を見ると、自分の足に緑色の魔方陣が敷いてあり、そこから太い植物のツルが絡み合っていた。
「ふふふ……このツルはな、ただお前の足に絡みついてる訳では無いのじゃ。そこから魔力を吸い取り、己の栄養に変換させる仕組みになっているのだ。」
「あぁ!クッソー!!何なんだよてめぇはよぉッ!!!次か次へとッ!!!」
シャウがブチブチと足を引き千切ろうとするが、ツルは全く切れない。そして植物で足が地面に固定されて動けなくなったその瞬間を見逃さなかったシュンランは鉄球を大きく振りかぶった。そしてドゴン!!という音が鳴った瞬間、シャウの腹に直撃した。シャウは思いっきり吹き飛び、壁に激突した。
「がッ....グハッ....!?」
「童よ、お主ら少々、お痛が過ぎたのぉ。このまま氷漬けにして暫く、冬眠しておけ...」
そう言ってシュンランはシャウに掌をかざして、氷魔法を掛け始めた。
「クソがぁ……ッ!」
シュンランの掌から大きな氷の結晶が現れ始めると、その氷の結晶はシャウに向かって放たれた。しかし、その時だった。突然シャウの体が赤く光だし、その赤い光は氷の結晶を打ち消したのだ!
「なッ!?何じゃ!?」
「うおりゃあぁぁぁぁ!!」
そしてシャウはナイフを思い切り振りかぶってシュンランに斬りかかった。だが、シュンランは何とか避けて、シャウから少し距離を置いた。
(なんじゃ突然、先程までとはえらい違いに戦力と魔力が上がっておる....!一体何が....)シュンランが辺りを見渡すと、瓦礫の山の上に捕縛してた筈のエッセンが腕を付き出してるのを発見した。しかもエッセンの足を見ると、なんとエッセンの足首から下が無くなっていた。
(な、なんて奴じゃ....!自分で足を引きちぎったのか...!?だが、奴の顔からは苦痛に耐えるような顔には見えない。と言うより、痛みなんて感じてないように見える...。)
「まさかあの男の能力は……!」
シュンランがそう言おうとしたら、シャウはナイフを振り回してシュンランに襲い掛かって来た。その攻撃を避けながら、シュンランは考えた。
(恐らく、あのエッセンと言う奴の力はあらゆる人間の神経や感覚なんかを操作をする魔法か能力なのじゃろう……今まで、シャウが急に速度が上がったり、攻撃力が上がったのは奴が身体の神経速度を加速させたからじゃろ...そして奴が足を千切っても無反応なのは、痛覚を遮断してるからじゃ....)
「クソッ!遅すぎんだよエッセンッ!!危うく殺される所だっただろッ!?」
「さぁな。でもよ、この能力のお陰で何とかなってんだろ?」
シャウはナイフを振りながらシュンランを追い詰める。そして遂に壁まで追い込んだのだ。シュンランに襲い掛かろうとした瞬間だった。突然、地面から大きな岩が突き出てきたのだ!
「うおッ!?なんだぁ!?また小細工かよッ!!」
シャウはギリギリで避けると、岩はまるで生き物のように動き始めた。よく見るとその岩には蛇の顔が浮かび上がっており、鋭い牙が2本生えていた。更に腕が生えており、その先には鋭い爪が付いていた。
「ふぃー……暫くこいつとも遊んでくれんか……」
「ババァが...!今更、人任せ...いや、蛇任せかよッ!」
そう叫ぶと岩の蛇はシャウに向けて口から炎のブレスを放った。それをジャンプして避けたと同時に蛇に襲い掛かった。蛇はシャウに噛み付こうと襲いかかった。シャウはナイフを蛇に突き刺し、蛇は鋭い爪でシャウの身体を引っ掻いた。
「ッ!クソがぁ……!」
傷は浅いもののシャウも痛みを我慢しながら、蛇の首にナイフを刺して切り裂こうとした。しかし、蛇は尻尾でシャウを叩き落とした。その間にシュンランは考えていた。
(あのエッセンと奴、何故ワタシらに能力を使わない?最初っから使って、ワタシらの神経や感覚を狂わせることも出来た筈....何か条件があるのか....人数制限か、時間差か...)
そう考えてエッセンとシャウを見つめていた。
「ぐあッ!クソォ痛ぇ....!へへ…だがどうよ?エッセンのお陰でまだ動けるぜぇッ!」
「な、何なんだアイツ....痛覚ねぇのか...?」
「きっと、あの二人のどっちかが何か特殊な魔法や能力を使ってると思う...例えば痛覚遮断とか...」
ラクザンカ達がシャウの異常性を見ていると突然、シャウが叫んだ。
「おいエッセンッ!いつまで突っ立ってんだッ!お前もなんかしろッ!!」
「あぁ?もう終わった...」
エッセンがそう答えた瞬間、シュンランは膝から崩れ落ちた。それと同時に岩の蛇は砕け散った。
「……え?」
「お前さぁ?さっき俺の力が感覚か何かに干渉する物だと思っただろ?まぁ正解だ。だがそれだけじゃねぇ。俺のこの能力はな、自分の感覚や痛覚を他者にも与える事も出来る能力だ。」
「なんじゃと……!?」
シュンランが驚いて顔を向こうとしたが、痛みのあまりに向きを変えるどころか指先少しも動かせなかった。
「俺はあまり近接戦闘向きじゃねぇがよぉ...意外と強ぇんだよ。何故なら、この力で自分の痛覚を遮断する事も出来るし、時間差はあるが、触れた相手の感覚や神経に干渉出来る。強化させたり、弱体化させたりな。おれはあらゆる馬鹿共をこの力で殺して来たんだよ。」
エッセンはそう説明しながらシュンランを見ていたら、シャウがシュンランに向かってゆっくりと歩き出した。
「さて……そろそろ終わりにさせて貰おうか……」
そしてシャウがシュンランに近付いてナイフを腹に突き刺した。そしてナイフはシュンランの体を貫通した。
「ぐわぁぁぁぁぁぁあッ!!!」
「はッ!ざまぁねぇな。」
そしてシャウがナイフを引き抜くと、シュンランは腹を抑えながら倒れた。
「……ッ!お、おい……シュンラン……ッ!」
「シュンランさーーーんッ!!!」
ラクザンカ達が慌ててシュンランに駆け寄った。
(あぁ……やってしまったのぉ……)
シュンランは自分の死を悟った。だが、まだ意識がある内にラクザンガに伝えたいことがあったのだ。
「ら、ラックッ...!ユ、ユリッ....!」
「え?なんだ?」
「シュ、シュンランさん...?」
「ハァ...ハァ....この……ワタシを……信じろ....ッ!」
シュンランは今にも消えそうな声で、ラクザンカとユリに伝えた。
「え?何を……?」
「遺言なんかさせねぇよ...時間の無駄だ...!見るがいいッ!この古城で行方不明者が出る真実をようッ!」
そう言ってシャウはナイフを強く握ると黒く輝き、それをシュンランに向けて振り下ろした。
「や、やめろッーーーーーッ!!!」
ラクザンカがそう叫んで飛び込むが、シャウのナイフがシュンランの背中に深々と突き刺さった。すると、シュンランの身体が次第に黒く染まり、まるで灰のようにボロボロになって崩れてしまった。
「...あ?え……おい、は?……な、なんだよこれ……」
ラクザンカは塵となったシュンランを見て唖然としていた。そしてユリもラクザンカも何も言えなかった。なぜなら目の前でいきなり人を殺されたのだ。無理もない。するとシャウが歩いてきて、“おいそこの女共”と言って来てユリとラクザンカに指差した。
「もう一度聞くぜ?俺達の仲間にならないか?」
そうニヤニヤと言ってラクザンカ達を誘った。だが、ラクザンカは拳を血が滲み出る程に強く握り絞めて、シャウを鋭く睨んだ。
「き、貴様....よくも...シュンランをッ...!」
「ん....?」
「クッソォォォォォオッ!!!」
ラクザンカはシャウに向かって突進し、蹴り掛かった。ラクザンカは豪雨のような蹴りをシャウにかましたが、感覚が研ぎ澄まされてるせいか全て避けていた。そしてシャウはラクザンカの腹に思いっきり殴り飛ばした。
「あがッ……!」
「……なんだよ……あのエルフババァとつるんでた割には大したことねぇな……」
ラクザンカはすぐに立ち上がって、今度は上から踵落としを喰らわせようとした。
「はぁぁぁぁあッ!!!カチ割れろぉぉぉぉぉおッ!!!」
しかし、シャウはラクザンカの脚を掴んでそのまま地面に叩き付けた。ラクザンカは起き上がって攻撃しようとした瞬間、腹に蹴りを喰らって吹き飛ばされた。
「……く、そぉ……ッ!グハッ!」
「さてと、てめえも消し去るか....」
「ダメッ!これ以上ラックを傷付けさせないッ!私が許さないからッ!」
「よせっ!....ユリ、逃げろッ.....!」
ユリはラクザンカがシャウにやられるのを黙って見てられず、シャウに斬り掛かった。しかし、あっさり避けられて逆に顔を殴られてしまった。
「あが……ッ!くッ!ま、まだッ....!」
「お?まだやるってのか?顔は可愛いのに勿体ねぇなぁ」
「や、めろ……ユリ……!」
「……もう良い。お前から先に殺す......死ね、アバズレ」
そう言ってシャウはナイフを振り上げた。だがその時だった。突如、シャウの前を灰のような物が舞い込み、シャウの顔に掛かった。シャウは慌てて手で振り払って“これは一体!?”と周りを見渡すとシュンランが灰になった所から黒い灰のような物が集まり、そしてそれは人の形になり、シュンランの姿へと変わったのだ。
「え……あ?な、は……?」
「よぉ……さっきぶりじゃな。」
シャウは困惑したがすぐに我に返り、ナイフを構えた。
「てめッ!確かに殺した筈じゃ……!」
「.....この世界には死んだものが復活する魔法があったのを知らんのか?」
そう言ってからシャウに向かって手を翳した。するとシャウの身体が急に重くなった。
「なッ!?ぐッ……!身体が……ッ!」
シャウがナイフを落して片膝を地面につけた。その様子をシュンランは満足気に見ていた。
「傷付いて弱体化した相手を灰にする。それがお主の能力か……厄介な能力じゃな……」
「お、おい!何なんだよこの魔法は!?」
「し、シュンラン....?へ?何で...?お前確かに....」
「シュ、シュンランさん...?どうして...?」
ラクザンガもユリも訳が分からずに困惑していた。すると、シュンランは2人に向かって説明した。
「これはのぉ……死が確定になると発動する魔法じゃよ……まぁ1ヶ月に1回しか使えぬがな…。ラック、ユリ、また後で詳しく説明するからな……。」
シュンランがラクザンカとユリに説明している間、シャウの力が段々弱まっているのを感じた。
(そ、甦生魔法だと....!?そんなのおとぎ話の世界だけの話じゃないのかッ!?いや、違う。奴のこの魔法はおとぎ話なんかじゃなく実際にあるんだッ!だそうじゃなきゃ生き返る訳がねぇ……!クソがッ……コイツにこれ以上何をやっても意味ねぇってのかッ!?)
シャウは恐怖していた。自分達では倒せない。シュンランを本当に殺せるのか分からなかったのだ。それを見ていたエッセンはすぐにシュンラン達の感覚を全て遮断しようとした。
「まずいッ!早く止めなければ....」
すると突然、上から大きな白い光の柱が現れ、それに飲み込まれたエッセンは驚きながら消滅していったのだ。
「なッ!?う、うわぁあぁあぁぁぁ!!」
エッセンが居た場所には、小さな白い宝石だけが残っていた。
「……同じ手が通じると思っておったか?暫く真珠となって反省するといい……さて、次はお主の番じゃな……」
(まずい……このままじゃ負けちまうッ!何か……何か手はねぇのか……!)
シャウが歯を食いしばって必死に考えていた。そこで、シャウは金儲けの話を一か八か喋った。
「なぁッ!シュンランさんよッ!アンタのその力は凄いなッ!もう十分味わったよッ!もう悪党から足洗って大人しく自首するからさッ!見逃してくれよッ!勿論、只とは言わねぇ!実は、莫大な財宝がある土地の地下に眠ってあるんだよッ!それを全部アンタにやるよッ!」
「……何じゃと?」
「へへッ……!どうだ!?悪い話じゃねぇだろ?だからさ、俺を....」
「だがいらん」
シュンランは即答した。そしてシャウはまたも驚愕した。
「な、何故だ……!?」
「お主のような悪党の口車に乗る程、ワタシは落ちぶれておらん。それに、ワタシはお主らの事を許すつもりは端からないのじゃ……。だから……」
シュンランはシャウに向けて手を翳した。
「な、何する気だよッ!?」
「安心せい……ただ、ちょっと“お痛”をするだけじゃ」
シュンランはそう言うと、手の平から赤い魔方陣を出して、その光をシャウに浴びせた。その瞬間、シャウの身体に今まで味わった事のない激しい苦痛と疲労が襲い掛かって来た。
「な、何だ……!?ぐあッ!!く、クソ……がぁぁあぁぁあッ!!!」
シャウはあまりの痛みにその場でゴロゴロと仰け反ったり、踞ったりして暴れた。
「こ、こ、この痛みは....ッ!ま、まさかッ....!」
「そうじゃ、お主の相方が使ってた感覚干渉じゃ。ワタシらが受けた苦痛と疲労をとくと味わうがいい...」
「ぐあッ!クソがぁああぁ……ッッ!!」
シャウは全身から脂汗をダラダラ流しながら、目が血走って、歯を食いしばった。やがて、苦痛と疲労に耐えきれず、地面に倒れて白目を向き、泡を吹きながら痙攣し始めた。その様子を見てシュンランは呆れながら溜め息を吐いた。
「……やれやれ、だらしないのぉ……」
(まぁこれで奴は完全に戦闘不能じゃろうて……)
そう言うとシュンランは手を叩いて、ユリとラクザンカに指示を出した。
「そうじゃ、お主らコイツを縛り付けてくれ」
「あ、はい!」
ユリはシャウに近づいて手を翳していた。するとシュンランはふとある事を思い出した。
(あ……そう言えばラック……大丈夫かのぉ……?)
ラクザンカの方を見ると彼は自分の腕をジッと見詰めていた。その表情は申し訳ない気持ちのように感じたそれを見たシュンランは溜め息を吐きつつ、ラクザンカに近付いた。
「ラック、大丈夫か?」
「シュンラン....ご、ごめんっ!アタシが弱いばかりに……アンタを見殺しにしてしまったッ!本当に....本当に...」
ラクザンカは目に涙を浮かべてシュンランに謝罪した。しかし、シュンランはラクザンカの頬っぺを優しく抓ってこう言った。
「……ラックよ。ワタシがいつお主のせいで死んだと言った?ワタシが言ったのは、“ワタシを信じろ”ってとこだけじゃ。」
「でも、アタシはアンタを……ッ!」
ラクザンカはシュンランにそう訴えかけたが、シュンランはそれを遮ってこう言い返した。
「ラックよ、お主は強い。じゃがな、1人で重く責任を背負い込むのはいかんぞ?無駄に腹が減るだけだし、ストレスは美容の天敵じゃ。」
シュンランはラクザンカの頭を優しく撫でて、ラクザンカにこう伝えた。
「それにな……ワタシはお主がワタシの為に怒って突っ掛かってきたのはとても嬉しかったぞ。ありがとうな、ラック。」
「……え?そ、そんな……アタシ……」
ラクザンカは顔を赤くしながら、下を向いていた。それを見てシュンランは“やれやれ”と微笑んだ。
「あの....私差し置いてイチャつくのは勝手だけど、少しは手伝ってくれないかなラック?」
「え?あ、あぁ!すまない!」
ラクザンカはユリに怒られてすぐにシャウを縛り始めた。
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