『ツイてるだけのボクサー』第9章

「恋は、運じゃ殴れない」



「カナさん!この後、ちょっとだけ…一緒に…メシとか…どうすk」


\ガシャーン!!/


背後で落ちた看板が、通行人をかすめて避け、僕の顔面に命中。


鼻血まみれで横たわる僕に、カナさんは一言。


「…ほんっと、アンタらしいわね」



次の日。僕はカナさんに呼び出され、まさかのデートへ!


ボクサーとして、いや運の塊としての俺の実力を見せるチャンス!!


だが…

• カフェに入れば、満席→「たまたま」カップルが席を立つ

• 映画館では、席がない→「たまたま」隣の人が腹痛で退席

• スイーツ店では、売り切れ→「たまたま」在庫の最後の一個が発見される


「……ちょっと怖いんだけど」


カナさんが本気で引いていた。

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