廃墟の学園に地雷系後輩女の子とトツゲキ肝試し

蒼ノ下雷太郎

トラック1 このとき二人は、何も知らないでいた。

//SE 風で枝葉が動く音 開始

//SE フクロウの鳴き声


//ささやくような声

「トツゲキ、隣のきもだめしぃぃっ」


「さぁ、廃墟の学園にやってきましたね。ここ、けっこう有名なんですよ?」


「ま、ボクみたいな超絶美少女が挑めば、楽勝ですけど――ん?」


「先輩? ……もう、どうしました?」


「もしかして、先輩? ……にゅふふっ、こわいんですかぁ?」


「あれれー? もしかして、ビビってます? ビビっちゃってますぅ? えへへっ、やーいやーい、ビビリー。ボクより年上なのに、怖いんでちゅねー? えへへっ」


「だいじょーぶ。安心して? 先輩にはボクがいるから。この、超絶美少女で、地雷系の格好も、完璧に着こなすボクちゃんがいれば」


「え? ……なに? 誰もいないよ? ……廃墟に、誰かいた? ……えぇぇっ……いや、いないですよぉ?」


「もう! 先輩はほんとにビビリだなぁっ! ボクっていう美少女がいるのに、そっちに意識むくぅ!? バカ! ……ほっ、んとにっ、ばかっ!」


//ため息

「……はぁー、まったくもう」


「しょうがないな。ボクが守って上げるから。はい……ほら、手だよ。手! 女の子が手を出してんだから、握り返すの! ……そう。ふふふっ、手は大きいのにな」


「心はビビリなんだから、もう」


「だいじょーぶ。ほら、ボクの手を握ってれば大丈夫だから」


「じゃ、いこーか? ふっ、黙ってボクについてくればいいんだよ? えへへへっ」


//最後の「えへへへっ」、ほんとに嬉しそうにお願いします。

「男は黙ってついてきな。安心してねー? 怖がらないで、大丈夫でちゅよー? 終わったら、よちよち、してあげまちゅねー? えへへへっ」

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