第12話

学園での授業が始まってから10日後、初めてのテストが行われた。


この学園の特徴なのだろうが、4ヶ月に一度全生徒の成績ポイントを算出する必要があるため、毎週テストがあるのだ。


「ライム様、ぼく、全然自信ないんですけど…」


ラッカルが不安そうな表情で言った。


この1週間はライムはラッカルに勉強を教えるのを一時中断していた。第一、人に勉強を教えておきながら自分が不甲斐ない成績であったら元も子もない上に信頼性も落ちてしまうからだ。


「それは俺だって同じだ。どんな問題がくるのか、分かったもんじゃないし」


とライムは言ったが、内心はちょっと楽しみにしていた。自分のこの10日間の勉強、もっと言えば、前世を含めたこれまでの知識が正しいかどうかを試す時なのだ…!


「ほら、テストだ。もう足掻くのはやめて大人しく席につけ」


とアークが非情にも告げた。


各所から諦めのようなため息が漏れ、皆重い足取りで自席へ向かう。


「各自、筆記用具はこれを用いること」


と先生が言い、全員にナニカを配る。


ライムはソレを持ってみたが、特に何か変な感じはない。ただのシャーペンのようにしか思えないが…。


「これは魔道具で、各自の様子を記録することができるものだ」


「おーっ!」


生徒たちから歓声が上がる。


魔道具は専門店でしか取り扱ってない上に、価格が高いため、庶民は触れる機会もないような代物なのだ。


「魔道具に触れる機会が少なく興味を持つのはわかるが、もうテストを始めるぞ」


とアークは皆を嗜めた。刹那、ライムは教室に緊張感が走るのを感じた。


「では、よーい…はじめっ!」

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