恐怖の詩集

深夜 幻夢

ー逢魔が時ー




空が夕日に赤く染まる頃


何時もと同じ帰り道


「こんにちは」とすれ違った人は、誰だっけ?


この建物 こんな色だったっけ?


気付いてはいけないよ


考え過ぎてはいけないよ


血のように赤い色をした空は


別世界


声を掛けられても


返事をしてはいけないよ


振り向いてはいけないよ


何時もと違う何かに気付いた時


もう…戻れない


どんなに願っても


元の世界には戻れないよ


ほら、魔物が口を開け待っている


今日も誰かが迷い込んだ


二度と抜け出せない


誰もが出会う逢魔が時

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