第1話 改めて「同床同夢」のリスタート
養護施設よつ葉園 元園長 森川一郎氏の御挨拶
この度、米河清治君がこちらの作品群を開始することとなりました。しかし選りにもよって、こんな日を選んだものかといささか驚いてはおります。
8月3日、四反田五郎氏の「邂逅」のラストの日から80年の日に発売開始された彼と真鍋照雄氏の共編著による「四反田五郎伝」ですが、こちらで私も拝読いたしております。もっと言えば、共編著者の一人の米河君より原稿段階でも拝読しておりますが、なかなか読み応えのあるものに仕上がりましたな。
これ自体は私との論争における養護施設がらみの話は特にありませんけれども、なんせ戦争ともなれば、否応なくその手の施設の重要性は高まることが相場です。
米河君は、現在のドイツにおける良心的兵役拒否制度の兵役に代わるものとして福祉施設での勤労があることに触れておられるが、このことについて彼は「兵役の代用として人を集めねばならないほど人手不足の仕事、要はそれだけきつくなり手のいない宿命を持った業種ではないか」と述べられた。私どもの生前行なってきた仕事というのはそれだけ厳しいものであったかと、改めて思うところあります。
それにしても、ヘルマン・ヘッセと四反田五郎両氏の類似点には改めて驚かされています。今後はそのあたりも含め彼と論争してまいるところであります。
なおこちらでは、この論争とは別に彼と我の取り巻く周辺の方々、来世と今生を超えて御意見をいただく場として活用されるとのことです。
フィクションとノンフィクション、生死の境を超えて様々な意見の飛び交うサロンとしてこの作品群が活用されることを期待し、拙稿の結びとします。
2025年8月6日
森川 一郎 談(故人側)
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