第15話「はじめての本気合わせ準備」

ぷち喧嘩を経て仲直りしたすみれ・まどか・あかり。

グループLINEのタイトルは「寄せ鍋戦士団」に更新されていた。


そんなある日、まどかが宣言する。


「次こそは本気の合わせやろう。迷走も楽しいけど、ガチもやりたい。」






三人でファミレスに集合。

テーマは「戦うヒロイン」。


すみれ:無花果様(リベンジ強化版)


まどか:マミヤ(北斗の拳・布改良バージョン)


あかり:なぜかプリキュア枠を志願



「え、それジャンル違わない?」

「戦う女ならいいでしょ!」

「寄せ鍋戦士団だからね!」







週末、すみれの部屋は裁縫工房に変わった。


ミシンが止まる → まどかがドライバーで分解


ボンドが乾かない → あかりがドライヤーで強制乾燥


布が足りない → すみれのカーテンが犠牲に



「え、ちょっと待って、私の生活が布の供給源!?」

「戦いには犠牲がつきものだよ!」







三人でウィッグをかぶって鏡を覗く。

でも作業に夢中で部屋は熱気ムンムン、

三人そろって汗だく → 前髪ペタペタ。


「これ……戦う前に戦死するやつじゃない?」







カオスの最中。

気づけば、三人とも真剣な顔で針を動かしていた。

笑いもあるけど、今回は本当に「やり遂げたい」って気持ちがあった。


「……なんか、青春してるみたいだね」

まどかがぽつり。

「青春って、裁縫してる時に出てくるんだ……」

すみれは笑いながらも、心がじんわり熱くなった。





完成までの道のりは遠い。

でも、三人でならきっとできる。






つづく

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