第14話 「かしまし三人組、初めてのぷち喧嘩」

次の合わせコスの相談をするため、三人はカフェに集まった。


すみれ:計画を立てたい派


まどか:経験値で語りたい派


あかり:ノリと勢いで押し切る派



……はい、もうフラグ立った。





「合わせるなら、ちゃんとテーマ決めた方がいいよね」すみれ。

「いやいや、衣装の布の質感から考えるのが王道でしょ」まどか。

「いやいやいや!TikTokで映えるやつが正義だから!」あかり。


三者三様の主張がぶつかり、机の上は参考画像とエナドリの空き缶でぐちゃぐちゃ。





「そもそも、布から始めるなんて時代遅れじゃない?」あかりが言った瞬間、

まどかの眉がピクリと動いた。


「はぁ?布を甘く見るなよ。私たちは写ルンです時代を生き抜いてきたんだぞ!」


「古墳時代の話はしてないから!」


「ちょ、ちょっと二人とも落ち着いて!」

すみれが割って入るが、声は届かず。





カフェの店員に「お静かにお願いします」と頭を下げられてようやく一旦沈静化。

でも空気はピリピリしていた。





帰り道。

三人は無言で駅まで歩いた。

すみれの胸の中は重かった。


「せっかく仲間になれたのに、もうダメなのかな……」





でも、その夜。

グループLINEにまどかから一枚の画像が送られてきた。

それは、昼間撮った3人の写メ。

ぎこちなく笑ってるけど、なんだかんだ楽しそうな写真。


『やっぱり合わせやろうよ。喧嘩しても楽しいから』


続いて、あかりからスタンプ。

「ギャルピース」


すみれは思わず吹き出した。

やっぱり私たちは、かしまし三人組なんだ。






つづく

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