裏切り・裏切られ

UMA未確認党

裏切り・裏切られ

 「ははは、ようやくお前を追い詰めた今までの悪事の清算をしてもらおうか」


 ジャックは目の前の敵を追い詰める。


「ひい、許してください・・・とでも言うと思ったか?」


 トンプソンは笑顔で手を上げるすると、ジャックの周囲に拳銃を持った人が来る。


「さて、お楽しみはこれからだ」


 トンプソンが指を鳴らすと、周囲の人が一斉に銃を構える。


「僕の部下は優秀だぜ?君に勝ち目はないんだよ!」


「くっ・・・!」


 ジャックも拳銃を構えようとするが、手が震えている。すると、


「ははは、トンプソンこれで俺を追い詰めたのか?」


 そうして、さっきまでジャックを取り巻いていた銃口の先はトンプソンの方に向かう。

「テメェ全てはめてやがったな!」


「そうだ俺は最初からお前の悪事に気づいていたんだだから、あえて泳がせてやったんだよ」


「ちっ!だが、お前らも終わりだぞ!この部屋には爆弾を仕掛けてあるからな!」


「おいおい、その程度すでに解除済みさ」


「何ィ?!」



 その様子を遠くのビルからカメラで見ている男がいた。


「がはは、人形どもは勝手に潰し合っておけ」


 男はそう言って手のワインを舌で転がす。


「ふーん、面白いことするわね~」


 そこには一人の女がいる。


「なんだ、貴様は!?」


「私は、アリスあなたの敵よ」


「ふん、たかが小娘一人に何ができる?」


「まあ見てなさい」


 すると、さっきまで戦っていたはずのジャックとトンプソンがカメラの方を見て。


「エリック、そこで見てるんだろ今までのは全部演技だ。さあ、お前の真の悪事を暴かせてもらおうか」


「くそ、ばれていたとは・・・」


「お前はもう逃げられない覚悟しろ!」


 そして、ジャックはトンプソンとともに、部屋の奥へと進んでいった。


「さて、これで私の役目は終わったわね」


 アリスと名乗る女がそう呟く、すると、エリックは


「ははは、こう来ると思っていた!しかし、もう遅い外から俺の部下がミサイルで狙っているからなァ!」


「残念だったわね!そのミサイルの指揮権は私にあるの。ミサイルはアンタのビルに向かうわ!」


「そんな馬鹿なことがあってたまるか!」


 エリックはそう叫ぶが、実際に外では・・・


「隊長!基地の外にいる部隊からの通信が途絶えました!」


「どういうことだ?」


「わかりませんが、おそらく全滅したと思われます」


「一体どうなっている?」


 すると、爆音がしたアリスが驚いて外を見る。


「残念だったなそのミサイルは迎撃した!真の経営者とはどんな対策も怠らないのさ」


 エリックは勝ち誇った顔で言う。


「まだ終わってないわ。本当の地獄を見せてあげる」


「なんだと?」


 エリックがそう言った瞬間、エリックの顔の横を銃弾がかすめる。


「うぐぁぁああ!」


「あら、避けちゃダメよ♡」


 アリスがそう言って銃を構えた時。


「うっ、おなか痛い」


「ははは、朝母親に作ってもらった、サンドイッチが当たったようだな!下剤を渡しておいて正解だった」


「ひどい・・・せっかくここまで来たのに・・・」


 アリスはその場に倒れこむ。


「ざまあみろ!お前は娼館行きだ!」


 エリックがそう叫んだとき、


「あなたは何か勘違いしているようですね」


「誰だ?」


 すると、ジャックがいた。


「さっきの寸劇はあのビルではなくここの下の階で行われたんだよ。さあ、マイハニー助けに来たよ」


 ジャックが近づくとアリスはジャックののど元にナイフを突きつけた。


「あはは、騙されたわねこれは貴方をおびき出すための罠」


「な、何でこんなことするんだ」


「貴方に父さんを殺されたから」


「なっ!?」


「覚えていないかもしれないけど、私の父を殺した犯人が貴方なのよ」


「なっ、何を言っているんだ?俺はそんなことは知らない」


「しらばっくれても無駄よ貴方にはここで死んでもらうわ」

「ま、待て」


 ジャックはそう言ってアリスを抱きしめるアリスの意識が飛ぶ。


「君を信用してなんかいなかったさ。まさか、ここに睡眠薬があるとは知るまい」


 すると、エリックがジャックに銃を突きつける。


「騙し合いが得意なようだな。だが悪いが俺は影武者だ本物は既にドバイに逃げている」


「ちっ、逃げられたか」


 そう言うと、エリックはジャックを殴り倒した。


「さて、お前はこのまま死ぬんだな」


 そして、エリックがジャックを殺そうとしたとき、ジャックはポケットからスイッチを取り出した。


「な、それは・・」



 そんなことをしているとトンプソンが


「ははは、もうここには用はない百年に一度の宝は手にいれたからな」


 トンプソンはそう言って、アリスを抱え、その場から去った。


「くそ、トンプソンの野郎裏切りやがったな」


 エリックはそう言って、ジャックの額に銃口を向ける。だが、

「くっ、なぜ撃たん」


「撃つ必要がなくなったからだ」


「なんだと?」


「だって、俺はお前を撃つ必要はないんだぜもう、本物のエリック・ウィリアムには用はないこれからは一緒に手を組もうぜ」


 トンプソンとアリスは車に乗っていた。


「しかし、現金10億円の分け前はどうしようかしら」


「そりゃあ、もう決まっている」


 すると、トンプソンは車を止めて、アリスを外に連れ出すと


「俺が全部もらうてめえは崖の下にでも住処を構えて寂しく暮らすんだな!」


 そう言って突き落としたアリスは悲鳴を上げながら落ちていった。


 トンプソンは車に乗り込む。


「これで邪魔者はいなくなったな」


 そう言ってトンプソンがアタッシュケースを開けると。


「し、新聞紙?」


 そこには新聞が入っていた。


「騙されたあのアマ、俺に偽物掴ませて、儲けを独占する気だ」


 すると、崖の下からパラシュートが出てきた。

 トンプソンは急いで降りていくすると、そこにはアリスが立っていた。


「残念だったわねこのスーツは特別製なの」


「なに?」


 すると、アリスの後ろから、トンプソンが飛び出してきた。


「バカが、やっぱり、その金はお前のものになる運命じゃねえんだよ」


 そんなこんなで揉めていると奥の車から銃弾が飛んできた。


「これは俺の金だ!誰にも渡さねぇ!」


 エリックである。二人は倒れ、エリックは歩き始めようとしたところで後ろから殴られる。車の後ろに息をひそめていたエリックである。


「貴様ァ!生きてやがったな!」


 エリックが足を後ろに払った好きにトンプソンとアリスは死んだふりをやめアタッシュケースに向かう!


「「「「この金は俺(私)のものだァ!!!!」」」」


 四人で引き合っているとパトカーがやって来る。


「け、警察?」


「誰が呼んだのよ!」


「俺は知りませんぜ…」


 そんなことを言っていると中から警察官が一人降りてきて告げた。



「お前ら銀行強盗だな?!随分壮大な仲間割れだな。全員逮捕だ!」


「「「「うわーーー!!」」」」


 そうだった。エリック、ジャック、アリス、トンプソンは五人で強盗しに行ったのだった。その分け前で大揉めし、なぜかこんな裏切り合戦になってしまったのだ。

 こうして四人の強盗は逮捕された。

 まとめて縛られている最中ジャックは呟いた。


「そう言えば俺達ってこのメンバーで銀行強盗したんだっけ?」


「まぁそうなるな。五人で強盗して…あれ?」


「そう言えばさっきの刑事。リーに似てたような気も…」


「おいおいまさか…」


「「「「リーの野郎!騙しやがったなぁ!」」」」


 四人はそう虚空に向かって叫んだ。

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