第27話:東京講和会議

 「ソビエト戦争」は終結した。首魁であるロシア以外がソビエト連邦からの独立を宣言した以上、「連邦」という名義は使えなくなったからだ。何せ、ロシアという国名自体が二つも三つも出来てしまう結果となったのだ、それはまごう事なき、ソ連解体であった。

 1939年11月1日、東京。ソビエト連邦代表は東京にて城下の盟を誓う羽目になった。通称、「東京講和会議」である。流石に、文明国同士の戦争であるという大義名分の下、野蛮極まりない無条件降伏こそ避けられたが、それが却ってソビエト連邦にとっては国家の死を意味することになるとは誰が予想し得ただろうか?


 東京講和会議の結果は、以下の通り。

 ・ソビエト連邦はロシア以外の国家に独立宣言権を与える

 ・ソビエト連邦は大日本帝国を初めとした交戦国に賠償金1兆ルーブルを支払う(内、大日本帝国の権利は5000億ルーブル)

 ・ソビエト連邦は大日本帝国を初め諸国に領土を割譲する(内、大日本帝国の得た領土は沿海州、北樺太、カムチャツカ半島など(日本の請求権であった極東部の内大半は満州国に譲ることにしたようだ))

 ・捕虜交換など


 事実上、ソビエト連邦は死んだ。そして、何故諸侯がソビエト連邦から独立したかだが、要するに賠償金が余りに巨額に昇った故に、それを避けるためであるというのが現在の定説である。(尚、大体100ルーブルが我々の世界での5万円相当|(≒戦前日本「圓」に直して25「圓」(1圓=2000円説)~10「圓」(1圓=5000円説))だそうな)何せ、当時の大日本帝国の国家予算が「健全な範囲に縮小したと仮定して(我々の世界ではこの時期、既に戦争前の準備運動をしている(軍事予算が35%を越えたのはルーズベルトが当選した1932年!奴が大統領になったから軍事費が増えたという推論が成り立つくらいには偶然とは言い難い)ためこの推論が必要)」4~10億圓程度|(戦後「円」に換算しておおよそ2~5兆円程度か?)なのである、そもそも一国の経済を賄えるレベルの賠償金であるだけ、まだ第一次世界大戦の賠償金騒動よりは「まとも」だとも言えるレベルなのだが、そんな金額は中小国に支払うのは不可能と逃げ出したのが、ソビエト連邦圏内の連続独立騒動であった……。

 通称、「第二次日露戦争」と称されるそれはソビエト連邦から賠償金を文字通りびた一文残さず剥ぎ取ったことにより、ソ連邦は事実上崩壊した。何せ、ロシア自体が賠償金が払えないならと解体された上にロシア共和国|(仮)の手に残ったのは誰も取らないであろう僻地のみであったのだから、もうそれは誰がどう見てもロシアは再起不能であった。

 一方で、モスクワを初めとした諸都市は見事に東欧諸国が切り分ける形となった。中でもスオミとポーランドの領土の伸張っぷりはどう贔屓目に見ても領土が二、三倍になった形であった。何せ、ドイツ第三帝国ですらもキエフやカフカスなどの肥沃な大地を得ることに成功したのだ、それはどう考えてもロシアの魯の字も存在しなかった。

 この功によりドイツ第三帝国は国際連「盟」へと復帰、また殊勲国である大日本帝国は無事常任理事国へと「復帰」した。この戦争を「第一次世界大戦」と合わせて「第二次世界大戦」と見る向きもあるが、今尚世界大戦といえば教科書には「→欧州動乱のこと」と書かれているとおり、第一次世界大戦のみを指している……。

 だが、事態はそこから思わぬ方向へと動き出すことになる。次の戦役こそが、「財閥インチキ無き世界のために」と題されるのはそれが原因とも言われている……。

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