キープアップ・キープバック
来々
前日譚 リターン
青空が雲隠れし、薄暗い中街灯の光が道を照らす梅雨の夕頃。
俺、茂上茜はコンビニに物資を調達しに来ていた。
「…、腹減ったなぁ」
そういいながらコンビニに入ろうとしたとき、
鈍く、それでいて聞き慣れない音。
でもゲーム好きにはわかってしまう。
発砲音。
耳をつんざくような悲鳴とうめき声、嗚咽混じりの呼吸が辺りの空気を凍りつかせる。
数秒、店内から数人の男が逃げ出した2人の女性を追って飛び出し俺の方へ向かってくる。
俺が危険を感じたまもなく女性が俺の背後に回り込む。
男らは躊躇なく俺の銃口を向けて引き金を引く。
鈍い音がまたも響く。
撃たれたのは…、腕か…
後ろの女性が無事か確認しようとしたとき、
当時混乱していたのかどうかは定かではないが女性に背中を押された。
腕を撃たれ受け身を取れなかった俺はアスファルトに倒れ込み、
頭を打った。
そこから記憶がない。
目が覚めると目の前は薄暗い路地。
男のものと思われる声が聞こえてくるだけだ。
「腕、痛くないどころか…傷が無くなってる」
何があったかなんて目が覚めてすぐでわかるはずもない。
少し歩き路地を抜けると大きな建物がそびえ立っていた。
その建物は門を抜けると風景が変わり真っ暗だった外とは比べ物にならないほど明るかった。
「ところでここで何をしているのかい?」
気配を感じなかった!
気づいたら後ろに回り込まれていた。
男は続ける
「そう警戒するな、取って食おうってわけじゃないんだ」
「君、どこから来た?」
キープアップ・キープバック 来々 @Juen
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