チート魔剣士の転生冒険譚

@tempes

第1話 伝説の魔剣士、現る

2000年前、最強の魔剣士と呼ばれる男がいた。


龍も魔族も殆ど滅ぼし、人類の英雄となった。


しかし、彼の力は人類からも恐れられ、そして孤独を感じた彼は、転生魔法を使った転生を決意した。



2000年後…


俺はフィオレ・イグニール。6歳。


前世では最強の魔剣士などと呼ばれ、あらゆる龍、魔族を滅ぼした。


6歳になったということで今日から父親に剣技を教わることになった。


木刀を手に取った。


「まずは俺に一発打ち込んでみろ。」


早速実戦!?


「どうした?打ち込んでみろ。」


俺はまだ子供。それも考慮して立ち回りを工夫する必要がある。


「来ないならこっちから行くぞ!」


来る。


「ガッッッ!」


剣が重い。

やはり体格が違う。その上正確な剣筋だ。

なら…


俺は攻撃を受け流した。


激しい打ち合いを続ける。


「ガッッッ!!!」


こちらのカウンターにも反応された。


さらにカウンターを返してくる。


俺はギリギリで受け流すが、すぐに追撃が来た。


俺はそれをバク宙で躱した。


そしてすぐバックステップで距離を取る。


木刀を交えながら父を観察していた。


全てにおける能力が高い。体格では相手にならないし、剣筋も素晴らしい。


そして何よりも顕著なのは反射神経だ。

現に先程、俺のカウンターを受け止めてカウンターで返してきた。


そういう相手には、この手が一番効く。


俺は抜刀術の構えを取る。最速の剣術にして防がれれば隙が生まれるという諸刃の剣だ。


俺は足に魔力を集中させ、瞬き一つの間に父の懐に飛びかかる。


(速い!この年齢にしてこの速度。だが、反応できない程じゃない。)


父が抜刀術を防ぐ構えを取る。


やはり反応してきたか。

でも、これは反応される前提での突撃。


抜刀の構えだけを取り、緩急をつけて相手の裏を取る技。


その技の名は…

「神武一刀流・幻影一閃」


俺は目にも映らぬ緩急で裏を取り、一撃を叩き込む。


父はギリギリ剣で受けるも、吹き飛ばされた。


そして俺は木刀を父に突きつける。


「僕の勝ちです。」


「剣の才があるかもしれんとは思っていたが化け物かよ!」


「いえ、父の反射神経も凄まじいものでした。完璧に裏を取ったのに反応されてしまいましたよ。」


「もう教えることは何も無い。そもそも、15歳未満でお前に勝てる奴はいないだろうし。」


マジか。いくら前世の知識があるとはいえ、まだ6歳の子供なのに…


不思議な感覚のまま、模擬戦を終えた。







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