三歩太郎 ものがたり ――美作の国に伝わる昔話より――
Tatsuo Hikisa
第1話
むかしむかし平安のころ。美作の国の山里に暮らす一人の農夫が、日暮れどき、梶並川に架かる橋を渡っておった。と、橋のたもとに、旅衣の女がうずくまり、苦しげに息をしておる。声をかければ、女は京を発ち、出雲をめざす道中とのこと。哀れに思った農夫は、明見のわが家へ背負って連れ帰り、やさしく看病した。湯郷の湯に通うこと日々重ね、女の身はみるみるいえ、やがて白き肌を持つ、美しき姿となったという。
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