第36話 お互いが力(剣)と抑止力(鞘)


次の日。


【189日目:100,938,981】


やべ、魔力を思いっきり放出して、スーパーなんちゃら人ポーズやりたい。


……普通の魔法使い× 2万人~3万人分。

核爆弾?流石にそこまでいかないが。

「アハハハ……」

乾いた笑いが出る。改めて怖くなる。

拳銃所持レベルじゃないぞ。

ナパーム弾、何発分だよ。




ーーその日の夜

高級宿の扉をノックする。

甘い香り。


俺が一番好きって言ってた香水だ。


今まで、我慢していたからか。

もう、幸せだなぁ〜としか思えなくて、きっと明日起きても夢みたい……って感じなんだろうな。



ーーエクシーは自分の上で果てるこの可愛い生き物を愛情こめて抱きしめる。

(ありがとう)


ユウトの寝息が聞こえる。

そっと目を開ける。

頭頂部が見える。


思い出すのは、魔王"リオン:凛音" と一緒に魔力供与法をやっていた頃の記憶。

胸の奥が温かくなる。


ユウトの身体を起こさないように抱きしめる。


ユウクン……私の鞘(さや)になってくれてありがとう。


私を化け物にしないで、人の世に導いてくれてありがとう


私を鞘にしてくれて、ありがとう。

これからも、ずっと……ありがとう。

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