少年少女向けの小説って、いい大人になっても定期的に摂取したくなりませんか?幽霊や時間遡行などの非日常に巻き込まれた主人公たちのボーイ・ミーツ・ガールものには名作がたくさんありますが、本作は間違いなくその系譜の一つでしょう。ライトノベルの枠に収まりきらない、往年の名作SFジュブナイルの雰囲気を味わえる良作です。
過去の経験から人と関わることを避けていた少年が、少女と出会って謎解きをしていくうちに良い方向へ変わっていく。その変化の過程が共感できる良いものでした。切なかったりハラハラドキドキしたり、退屈させない展開も良いです。主人公とヒロインを応援したくなるお話で、読後も心地よく記憶に残ります。
少年と幽霊になった少女との交流を描いた作品です。その安心感を担保してくれる設定を土台に、とにかく爽やかな空気感を楽しむことができる作品です。適切な言葉が浮かばないのですが……この作者様の言葉選びのセンスが素晴らしいのでしょうね。とにかく拝読してて心地良い。まるで夏の日に木陰で清涼飲料水を飲んでいる時のような……そんな安心感と爽やかさ、そして懐かしさと染み込むような不思議さ。小説を読んでて「心地良くなれる」ありそうで無い機会をぜひ、この作品で感じてみませんか?