愛してるって言ってよ
猫月蘭夢@とあるお嬢様の元飼い猫ショコラ
ずっと一緒って言ったよね?
「ねぇ、ずっと一緒だって、そう言ってくれたよね?」
いつからか、僕に依存するようになった気がする。
「ずっと一緒にいてくれなきゃ嫌だって、前から言ってるよね?」
思えば、最初からその傾向はあった。ここまで酷いとは思ってもなかったけど。
「ねぇ、私のことが嫌いになったの?なんでずっと家から出てるの?」
時々彼女から尋問を受ける。
二人で買った、2LDKの家の中。
数ヶ月を二人で過ごしたが、綺麗好きな彼女がいつも片付けていて生活感はあまりない。
静かに彼女の怒った声がする。
「ねぇ答えてよ。ねぇ、ねぇ、ねぇ。早く答えてよ」
普段よりも瞳孔が大きい。
別に部屋の中が暗いわけでもないし、照明が影響しているわけでもなし。興奮すると瞳孔が開くと言うし……多分興奮してるんだろう。
「ねぇ、私のこと、愛してるんだよね?」
ハァ。なんでこうも僕の付き合う女性は毎回重いんだ。
あ~あ。面倒だ。
「ねぇ愛してるって言ってよ、ねぇ!」
うるさいなぁ!
もう黙ってくれよ!
僕は彼女の口を永遠に開けなくした。彼女は穏やかな表情を浮かべていた。
これで、ずっと一緒。
他人に見つかる前に隠し家に行かなきゃ。
…………今回の子は、もう少し続くと信じてたんだけどな。
愛してるって言ってよ 猫月蘭夢@とあるお嬢様の元飼い猫ショコラ @NekotukiRmune
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます