愛してるって言ってよ

猫月蘭夢@とあるお嬢様の元飼い猫ショコラ

ずっと一緒って言ったよね?

「ねぇ、ずっと一緒だって、そう言ってくれたよね?」


 いつからか、僕に依存するようになった気がする。


「ずっと一緒にいてくれなきゃ嫌だって、前から言ってるよね?」


 思えば、最初からその傾向はあった。ここまで酷いとは思ってもなかったけど。


「ねぇ、私のことが嫌いになったの?なんでずっと家から出てるの?」


 時々彼女から尋問を受ける。

 二人で買った、2LDKの家の中。

 数ヶ月を二人で過ごしたが、綺麗好きな彼女がいつも片付けていて生活感はあまりない。

 静かに彼女の怒った声がする。


「ねぇ答えてよ。ねぇ、ねぇ、ねぇ。早く答えてよ」


 普段よりも瞳孔が大きい。

 別に部屋の中が暗いわけでもないし、照明が影響しているわけでもなし。興奮すると瞳孔が開くと言うし……多分興奮してるんだろう。


「ねぇ、私のこと、愛してるんだよね?」


 ハァ。なんでこうも僕の付き合う女性は毎回重いんだ。

 あ~あ。面倒だ。


「ねぇ愛してるって言ってよ、ねぇ!」


 うるさいなぁ!

 もう黙ってくれよ!


 僕は彼女の口を永遠に開けなくした。彼女は穏やかな表情を浮かべていた。


 これで、ずっと一緒。

 他人に見つかる前に隠し家に行かなきゃ。

 …………今回の子は、もう少し続くと信じてたんだけどな。

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