徒然なる人へ
拝啓 徒然なる人へ。
手首のミミズ腫れもようやく落ち着き、
私は本物の寒さの中で、まだ冬支度ができていない自分に気づきました。
驚くほど強い希死念慮と、
日に日に効きが薄れていく睡眠薬。
そのどれもが、今の私には少し冷たすぎる。
アウターは三年前のまま。
私の時間も、あの季節から止まったままだ。
AIに今の状況を問うと、
どうやら私は無自覚のうちに“延命措置”を行っているらしい。
なるほど、と頷くしかなかった。
だからといって、それを断つわけでもないのだが。
私の日々の比率は、いいこと16、嫌なこと84。
変化といえば、睡眠が悪化した程度だ。
大学一年の頃に発症したこの鬱病は、
結局のところ、この十年間ずっと私を蝕み続けている。
完全に治る病ではないことは理解している。
寛解しても、あっという間に逆戻りするものだということも。
つい先日まで精神科に入院していた。
夏と秋の狭間にいて、服装も心もチグハグだった。
気づいた“寒さ”は、気温だけじゃなかった。
あまりにも冷たすぎる現実。
今年の冬は、きっと特に厳しい。
敬具
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