この連作を読み進めていくうちに、
「え、何これ?」
という気持ちがどんどん強くなっていった。
「激突は無音で見るとおもしろい ピンクのイルカ 英語の俳句」
を読んで、もう頭がぐちゃぐちゃになったが、
「ブブゼラはわたしを祝うブブゼラは音を出さずにわたしを祝う」
で、
「フー」
と息を吹き込んでも音が出ない状況を想像して微笑ましくなった。
しかし、最後の
「寒色の光のなかでもう何の匂いもわからない探知犬」
で、急に切なくなった。
シュールな歌が続いていた中で、
突然この現実的な絶望感が現れるから胸に響く。