世界の‘‘循環‘‘は俺が取り戻す~Aqua Obscura~

@Nakaya_Tsukasa

第1話 この世界の水

「この世界の水は‘‘死んで‘‘いる」


「もう~それ何回も聞いたって!」

ここは第七階層監獄

管理がざらで僕はよくここに遊びに来る

小窓からよくこの老人の話を聞いている

この老人はいつもよくわかんない面白い話をしてくれる

彼曰く、自分はもっと‘‘上‘‘から来たのだと、大人たちはみんな彼のことを頭のおかしい人だと思っている

「水とは本来、生物に潤いを与え、生物に利益を与えてくれる存在だ。」

「この世界の水は濁っていて腐った金属のような味、飲まなければ乾き死ぬが飲めば命を削る。」

(、、、いやそういうもんだろ水って普通)

でもこの少年レンは老人の話が好きだった。

仕事の時間を告げる鐘が鳴り響く



レンは今日も煤けた地下鍛冶場で、歯車の整備をしていた。


「回転軸、六番。…異音。蒸気漏れか」


手元の工具を片手に、レンは機械の脈動を聞いた。

彼は十四歳の整備工だ。

なんの楽しみもない労働階級

空はなく、代わりに鉄骨と配管が縦横に走り、天井からは水を垂らす老朽化した導管が蜘蛛の巣のように張り巡らされていた。


蒸気の音が絶え間なく鳴り、熱と煤と油の匂いが常に鼻をつく。

空調はすでに機能しておらず、空気はぬめり、息をするだけで肺が軋むほどだ。


その日の午後、レンは定期点検のために崩れた通路の補修作業に出されていた。

七層の子供に‘‘仕事‘‘の選択肢はない。生きるとは、命を刻む労働のことであり、誰かの階層を支えることだった。


「レン、あの梁が傾いてる!」


仲間の一人、ノアが叫んだ。


見れば、金属の梁がぐらついていた。老朽化した支柱が崩れかけ、上に積まれた排水管が不安定に揺れていた。


――あのままでは、下にいる子供たちが潰される。


思考よりも先に身体が動いていた。

レンは金属の板を蹴り上げ、崩れかけた梁の下に飛び込む。


「危ないっ!やめろ、レン!」


叫びも間に合わず、鋼の音が鳴り響く。

梁が落ちる瞬間、レンは小さな子供を突き飛ばし、自らは下敷きになった。


轟音、火花、金属の軋み――そして、沈黙。



しばらくして、彼の周囲には人だかりができていた。

誰かが呻く声。誰かが叫ぶ声。

だが誰も、レンのそばには近寄らなかった。


それは、床に広がった液体のせいだった。


「……これ、なに……?」


誰かが呟いた。

それは、透明な液体だった。水とは違う、あまりにも澄み切った、美しい液体。


「おい、あれ……レンの傷口から……?」


血ではない。赤くない。粘り気も臭いもない。


「大丈夫か!!レン!!」

大人たちが駆け寄ってくる

「……俺の……血、なのか?」

レンの意識は次第に薄れていった、、、






~レン=グラス~

第七階層の労働者階級

両親はすでに他界しておりこの村の孤児院に暮らしている15歳

好きな食べ物—特になし

趣味—いろんな人から話を聞くこと

外見:

金髪で少し長め、薄暗い第7層の環境でいつも薄汚れている

目は澄んだ青色で、輝きを持つ


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