第16話絶対王者

ギィィィィィン!!!

店内がスキール音全開で鳴り響くーー。


店員「強い反応!!!!間違いないーー!」

店員2「嘘でしょ....?あれが伝説のーー」

伊藤「やはりいたんだ...実在してたんだー!!!」


ミッドシップVTECエンジンが店内に響いてくるーー。

窓と店内の商品棚、床にも店員やカナタたちにも衝撃が伝わったーー。


カナタ ものすごい衝撃だーー。今まで見た車でも速いー!!!

伊藤 あれがーーまさかーーーー!!!!

店長 NSX______!!!


ギュオオオオオオオオォォン!!!

その音を奏でたまま黒いNSXは過ぎ去っていったーー。


伊藤「っぶねぇぇぇなァァァァ!なんだ!?今の!???」

カナタ「さっきのはーー?」

店員「間違いない。NSXNA1__。その車は神の領域の車と言われている。神の気配を少しだけ察知できたーー。あのオーラからーー」

店長「だいじょうぶー?みんなァー...災難だったねー。」

女の子の店長がさっきとは違う雰囲気で冷たい声でつぶやく。

店長「___彼は、絶対王者。見た目はおじさんらしいけど絶対王者。エーペックスカップ60連勝の__」


カナタ「... 60連勝!??まさか!吉田ノリアキ!??」

店員2「あのNSXの__!?」

伊藤「しかも、次のレースではその吉田さんも出るんだよ.......」



カナタ「え!?」


みんな、あたふたしてることに気づいたピンク髪の店員は冷たくひやしたいくらおにぎりをみんなに渡した。とても新鮮でおいしそうだ。いくらがぷりっとしている__。


店員2「みんなー!落ち着いてー!いくらのおにぎり持ってきたから!ほら!店長さんやみんなも!」


伊藤「お!助かるぜ!5月になって熱くなってきたから

冷たいおにぎり食べたかったー!!」


カナタ「いただきまーす!.....おお!うまいねー!!」


店員2「店長さんがわざわざ昨日の昼からひやしてくれてたんだよー!!」


店長「まぁーねー。おじさんにかかればこんなもんだよー...」


カナタ、伊藤「おじさん___!?」


さきほどからのおじさん発言で店内はまたしてもざわつく__。


伊藤「まってまって!それ、どういう__」


カナタ「冷蔵庫?おじさん?昼から?どう考えてもおかしい___」


店長「んふふ。そんなに気になるー?じゃあー」


ーーすぅ......っと優しく吸い込んだ吐息とともにふわりと白く輝く冷気が

二人の肩と首筋をなぞった。


ヒュウゥゥゥ......!

それはどこか悲しみの気持ちも感じるような冷気だった。

そこにいるみんなのうなじを触るかのように寒い空気が撫でていく。


伊藤「ッッ!??!?!......さむッ!??!??」


カナタ「ぅぅぅああッ!!首と肩に何か走った!??かまいたち!???」


その直後、店長が冷房のスイッチを切り替えるーー。

にこッとしながらエアコンのスイッチを切り替える。


店長「あー!ごめーん!冷房強くしちゃってたね~......」

店員「だいじょうぶなの?一瞬、氷になってたの見えたけど__?」

伊藤「こおりッッ!??」

店長「うふふ〜。わたしはただの店長だよ~?ふたりとも、ちゃんと商品持ってきた~?お会計しちゃうよ~?」

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